みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

紫波のとある登山口(9/8、ナベナのその後)

2018-09-12 20:00:00 | 賢治関連
 先の初見のナベナをまた見ようと思って行ったみたならば、
《1 無残にもそれは根元から苅られていた》(平成30年9月6日撮影)

《2 ところが周りをよくよく眺めて見たならば》(平成30年9月6日撮影)

《3 結構な株数があるではない「」》(平成30年9月6日撮影)

《4 》(平成30年9月6日撮影)

《5 実はここはナベナの群生地のようだ》(平成30年9月6日撮影)

《6 花の適期は過ぎていたがまだその名残があった》(平成30年9月6日撮影)


 となれば、ここはかつて賢治が何度か登った山の登山口だから、賢治がこの花(あるいは実)を目の当たりにしていた可能性は低くはない。このナベナがチーゼルの仲間であったことを賢治が知っていたか否かはさて措き。なぜならば、今でもこれだけの個体数が生き残っているということであれば、往時は一面のナベナが拡がっていた蓋然性が高いと考えられるからだ。

 ちなみに、伊藤光弥氏は『イーハトーヴの植物学』の「第七章 チーゼルとダイアデム」で、
 手帳(MEMO FLORA手帳?)の五ページに Dipsacus sylvestris の学名と、The teasel!という英文を記入しているが、これがチーゼルかと感心して書き入れたような感嘆符まで付いている。ディプサクスの絵を見て喜んでいる賢治の姿が目に浮かんでくるようである。
             〈『イーハトーヴの植物学』(伊藤光弥著、洋々社)265p~〉
と述べており、賢治のこの記入に従えば、同手帳が書かれた昭和3年6月頃まで、賢治はチーゼルの花そのものは知らなかった可能性があり、あのFelton著『BRITISHU FLORAL DECORATION』を見て初めてそれを知ったということも考えられそうだ。
 ちなみに、伊藤氏は同書の中で、チーゼルが出てくる詩として「ドラビダ風」と「陽ざしとかれくさ」を取り上げている。また、その263p~では、ラシャカキグサについて、『牧野新日本植物図鑑』には、
 苞葉は先端が鍵状になっており、乾燥すると硬くなってらしゃの毛を起こすのに用いる。いわゆるTeaselがこれである
という記述があるということを紹介している。
 となれば、賢治がこれらの詩で詠んでいるチーゼルとは、まさに牧野がいうところの「いわゆるTeasel」である蓋然性が高い。実際、伊藤氏は「ドラビダ風」に出てくるチーゼルについて同書の264pで、
 別にチーゼルを栽培しているわけではない。雑草を削っていると遠くから嘲笑が聞こえてくるような、チーゼルで掻きむしられるような思いを比喩的に詠んだまでのことであろう。
と鑑賞している。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

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      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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