みちのくの山野草

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伊藤勇雄顕彰会(9/8)

2018-09-12 18:00:00 | 賢治関連
 この9月8日、『露草協会』会長の高橋征穂氏から行ってみようと誘われて、一関の川崎市民センターへ行ってきた。というのは、当日同センターで伊藤勇雄の顕彰会である『伊藤勇雄誕生祭』が開催されるからだ、ということでである。
 では、そもそもこの伊藤勇雄なる人物とはどんな人かということで、案内されたのが同センターの近く、北上川の堤防に立てられている顕彰碑である。
 それは、
《1 北上川に架かるとても立派な「北上大橋」の》(平成30年9月6日撮影)

《2 袂の土手の》(平成30年9月6日撮影)

《3 草地にあった》(平成30年9月6日撮影)

《4 》(平成30年9月6日撮影)

《5 》(平成30年9月6日撮影)


野の中から
巷の中から
海のほとりから
山の頂から
名乗り出るものがある
        勇雄

《6 》(平成30年9月6日撮影)

 伊藤勇雄先生は、一八九八(明治三十一)年九月十一日、岩手県東磐井郡薄衣村(現川崎村)に生まれ、青年時代に上京。武者小路実篤氏の唱える人道主義に共鳴し、九州日向の「新しき村」の運動に参加。
 帰郷後、薄衣村議会議員、岩手県議会議員を歴任。また、岩手県立病院の前身となる組合病院の設置、宗教法人「大和教」、砂鉄川漁業組合の設置などに尽力。さらに、一九四七(昭和二十二)年のカサリン台風、翌年のアイオン台風には、岩手県水害復興会議副議長として復興と北上川の治水のために働く。その間、世界に名乗り出るものの気概をこめた詩集「名乗り出るもの」を発表。(以後、第三集まで刊行。)
 戦後、紫波郡煙山村、外山高原藪川地区開拓地に開拓者として入植(五十三歳)。電気を導入し、生活改善に努める。また岩手県教育委員長として、教育の民主化に取り組む。 一九八六(昭和四十三)年、六十九歳のおりに南米パラグアイ共和国のイグアス移住地の一角に、「人類文化学園」と称する理想郷を建設せんとして家族と共に移住。開拓に従事し、移住地に電気を引くために奔走するが、一九七五(昭和五十)年一月八日、ブラジル共和国で客死。享年七十六歳。…(以下投稿者略)…

 人類を愛し
 大地に親しみ
 ひたいに汗して労し
 地上に天国を建設せん        勇雄

 この碑文を読んだだけで、この度初めて知った伊藤勇雄なる人物は凄い人だということがすぐ分かった。彼の強靭な精神力、理想を追い求め続けての実践、それも功なり名を遂げたにも拘わらず、70歳を前にしてのそれ(理想郷を建設せんとしての南米移住)があったということを知り、ただただその凄さに圧倒された。
 そして、賢治と伊藤とは二歳違いだから、同時代を生きたと言えるし、大久保好唯著『伊藤勇雄の生涯 夢なくして何の人生ぞ』(地方高論者)等によれば、伊藤は「理想に燃え、民衆の先頭に立つ」、しかも詩集『名乗り出る者』も出版した異色の詩人でもあるという。よって二人の生き方には強い相似性があるということもほぼ明らか。
 不運にも、賢治は体も弱くて早く亡くなったが、もし堅強な体躯を有していたならば、伊藤と同じようにその理想を追い求め続けたであろう。さりながら、賢治の実態をある程度知ってしまった私は、賢治が伊藤の生き様を知ったならば、『とてもじゃないが、到底敵いません』と伊藤のことを賞賛するであろうことを私は容易に想像してしまった。

 その後当日は、『伊藤勇雄誕生祭』に参加させてもらって、参加者の方々の伊藤勇雄に対する並々ならぬ敬愛の念を肌で感じた。そこで私は、伊藤のことをもっと知らねばと心に決めた。それは特に、そのことによって賢治の生き方がさらに理解できるのではなかろうかと直感したからであった。
 そして思い出した、伊藤勇雄という男は三・一五事件で検挙された人物であった、横田忠夫・義重兄弟、泉国三郎らと共に、ということを、だ。やはり伊藤のことはもっと知る必要がある。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

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      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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