みちのくの山野草

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『宮澤賢治覚覺え書き』の「序」より

2021-04-24 12:00:00 | 賢治の「稲作と石灰」
【東北砕石工場技師時代の賢治(1930年頃 撮影は稗貫農学校の教え子高橋忠治)】
<『図説宮澤賢治』(天沢退二郎等編、ちくま学芸文庫)190pより>

 ところで、『宮澤賢治覚覺え書き』(小田邦雄著、弘學社、昭和18年11月30日)には幾つかの気になることが載っていた。
 それはまず「序」において、著者の小田邦雄は、
 昨夏、宮澤賢治の令弟清六氏から、「覺え書」に就いて執筆を慫慂されたとき私は躊躇することなく承諾した。何故なら、これは戰時下、詩人の責任であると考へたからである。
 宮澤賢治といふ偉大なる藝術家の血統を證することは、それだけで今日の思想の戰ひに參與してゐると自信したからである。
             〈『宮澤賢治覚覺え書き』(小田邦雄著、弘學社)2p~〉
と記していたからだ。箇条書きに書き換えると、
⑴ 小田は、この本の出版は「これは戰時下、詩人の責任であると考へ」ていた。
⑵ 小田は、「宮澤賢治の血統を證することは、今日の思想の戰ひに參與してゐる」ことだと確信していた。
⑶ この本の出版は宮澤清六から慫慂された。
となろうか。
 そこでこの「序」の記述内容に従う限り、
    やはり、宮澤賢治は戦意昂揚のために利用されていた。
ということを否定できない。それは、この本の奥付を見ると
    小田邦雄
     詩人
     日本文学報国会々員
     大政翼賛会北海道支部主事 

とあるからなおさらにだ。
 そして、この本の出版には宮澤清六が強く関わっていた、ということも気になった。 

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