〈『下根子桜の朝』平成23年11月11日撮影〉
【米田利昭の論文「宮沢賢治の手紙」より】米田は、このようなことも述べていた。
十五年四月四日、やはり森に、
〈駒沢女子大学「研究紀要」創刊号 平成六年十月、60p~〉「学校をやめて今日で四日木を伐ったり木を植ゑたり…(投稿者略)…もう厭でもなんでも村で働かなければならなくなりました。東京へその前にちょっとでも出たいのですがどうなりますか。」
と東京へ出たいを繰り返している。目的は、実際に後で東京へ出た時に彼がしたことを見ればわかるように、童話劇や詩を創作し上演するためだった。…(投稿者略)…研究こそ〈農業経済〉で農村救済に関係ありそうだが…(投稿者略)…賢治は本来は隔たりのある〈本当の百姓になる〉ことと、素人の〈農民劇団を創る〉ことを引き寄せ、二つを一つと考えていた。こう米田から説明されると、少なくとも農学校をやめた頃の賢治は〈農村救済〉については、それほど考えていなかったと判断してもいいのだと、そろそろ私も覚悟を決めつつある。そして、米田が引き続いて、
冒頭に掲げた保阪宛の書簡207は、あたたかな泥水に足腕をひたして水口を繕ったりすることを願うというので、〈本当の百姓になる〉ことだけが強調されているように見えるが、それだけではないだろう。だいいちこれは水田作りのイメージだが、賢治は自分では水田を作らなかった。これは虚構だ。
と述べ、最後は「賢治は自分では水田を作らなかった。これは虚構だ」と断言していることを目の当たりにし、私は肯った。そうなんですよ、と。そして、やはり時代は変わりつつあるのだ。このようにもう忖度などせずに賢治に関して堂々と自説を主張してもよい時代になったのだと、私はほっと胸をなで下ろした。
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************この度「非専門家の調査研究・報告書」だからという理由で「宮城県図書館」から寄贈を拒否された『本統の賢治と本当の露』です***********
賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものである。そして本書出版の主な狙いは次の二つである。
1 創られた賢治ではなくて本統(本当)の賢治を、もうそろそろ私たちの手に取り戻すこと。
例えば、賢治は「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」し「寒サノ夏ニオロオロ歩ケナカッタ」ことを実証できた。だからこそ、賢治はそのようなことを悔い、「サウイフモノニワタシハナリタイ」と手帳に書いたのだと言える。
2 高瀬露に着せられた濡れ衣を少しでも晴らすこと。 賢治がいろいろと助けてもらった女性・高瀬露が、客観的な根拠もなしに〈悪女〉の濡れ衣を着せられているということを実証できた。そこで、その理不尽な実態を読者に知ってもらうこと(賢治もまたそれをひたすら願っているはずだ)によって露の濡れ衣を晴らし、尊厳を回復したい。
〈はじめに〉
………………………(省略)………………………………
〈おわりに〉
〈資料一〉 「羅須地人協会時代」の花巻の天候(稲作期間) 143
〈資料二〉 賢治に関連して新たにわかったこと 146
〈資料三〉 あまり世に知られていない証言等 152
《註》 159
《参考図書等》 168
《さくいん》 175
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