《『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』(鈴木 守著、ツーワンライフ出版)の表紙》
それがこの度、その大きな原因が私なりにはっきりした。それは、「倒産(昭和53年)直前の筑摩書房は腐りきっていました」ということがなさしめたのだと領会できたからだ。それも「腐っていた」ではなく、「腐りきっていました」という表現だったからなおさらにだ。言い方を換えれば、このような『校本全集第十四巻』におけるいくつの筑摩らしからぬ事柄が倒産直前に起こったことと、『事故のてんまつ』の「絶版回収事件」とは根っこが同じだったのだ、と知ったのだった。
ところが残念なことは、筑摩は『事故のてんまつ』の出版に関しては昭和52年のうちに絶版回収とし、厳しく「総括」し、それを公にして詫びたのだが、『校本全集第十四巻』の出版に関してはそれらを為さなかったことだ。しかも、これらの筑摩らしからぬ事柄については、その後平成になってから出版された『新校本年譜』でもほぼそっくりそのまま引き継がれているので、「液状化現象」は解消されずに残ったことだ。
その結果起こったことの最たるものが、高瀬露はとんでもない悪女であるという濡れ衣が着せられて、それが等閑視されてきたという人権侵害である。その一方で、これと関連する書簡下書群の安易な公開によって、賢治には、「背筋がひんやりしてくるような冷酷さ」があったということを世に知らしめてしまい、賢治のプライバシー権を侵害してしまったことである。
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《ご案内》
来る12月16日付で、新刊『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』(鈴木 守著、ツーワンライフ出版、550円(税込み))を発売予定です。
【目次】
【序章 門外漢で非専門家ですが】
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