みちのくの山野草

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腐さしていただいた『宮澤賢治と高瀬露』

2018-06-06 10:00:00 | 濡れ衣を着せられた高瀬露
 さりながら、どうやら高瀬露の〈悪女伝説〉に異を唱えることは、大きなしかも見えない壁に立ち向かうことになりかねないということを私は肌で感じ、ぼやいてしまった。しかも、それは単に私のぼやきだけに留まらないようだ。なぜなら、昨年(平成29年)の賢治学会の春季セミナーに関わってあることを私は経験したからだ。

 具体的には、以前〝《「羅須地人協会」の会員等一覧(叩き台)》投稿の経緯〟において次のような投稿をしたが、
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 さて、私は何故《「羅須地人協会」の会員等一覧(叩き台)》という資料<*1>を作ったのかというと、
 『羅須地人協会のメンバーを調べて一覧を作り、この3月25日に行われる「賢治学会イーハトーブセンター」主催の「2017年春期セミナー」で発表してほしい』と、当セミナーの責任者T氏から間接的に依頼された。
と私は認識していたからである。
 そこで、去る12月21日(水)にその責任者と直接お会いした際に、この《「羅須地人協会」の会員等一覧(叩き台)》をお渡しし、

 なぜ私がそのような認識をしたのかということの顚末を同責任者に話し、その一覧作成のためにわざわざ上京したということ、そしてそれは何故だったのかということも説明した。しかしこの発表については同責任者からの直接の指示はなかったことだったから、『私は一体今度の「春期セミナー」で発表するのですかしないのですか、はっきりさせていただきたい』とお願いした。

のだが、その後本日まで同責任者からは一切の回答がなかった。一方で、あったことは、陰で同責任者が私の一連の賢治研究をしっかりと痛罵し腐して下さったという事実だった(もし私の研究をT氏が批判したいのであれば、陰で仰有らずに直接私に言ってほしかった。そうすれば、この痛罵の論理が脆弱、感情レベルのものであり、しかも私に比べてT氏は羅須地人協会時代のことや、賢治に関することをよく分かっておられないといういうことをT氏にお伝えできたであろうに)。
***************************************(以上)**********************************************
この中あるように、「一方で、あったことは、陰で同責任者が私の一連の賢治研究をしっかりと痛罵し腐して下さったという事実だった」ということをはしなくも知った。
 もう少し付け加えると、セミナーの責任者T氏に前掲のことをお願いした際に、その時の春季セミナーのメインテーマ
    羅須地人協会とその時代
というものであったから、同時代のことを約10年間ほど実証的に検証してきた私は自信を持って、
 同時代につきましては、再検証が必要ですよ。
 譬えてみれば、「賢治年譜」は賢治像の基底、いわば地盤ですが、そこにはかなりの液状化現象が起こっていますのでその像は今真っ直ぐに建っていないと言えます。当然、それを眺める私たちの足元は不安定ですから、それを的確に捉えることは難しい。まして、皆で同じ地面に立ってそれを眺めることはなおさら困難だから、各自の目に映るそれは同一のものとは言い難いからです。
という意味のことを申し添え<*2>て、そのための参考資料として上田哲と私の共著

等をいくつか謹呈した。

 ところが、『はっきりさせていただきたい』とお願いしたことに対する回答は全くなく、陰でセミナーの責任者T氏は私の研究しっかりと腐し下さっていたということがあったのである。
 そして今になって思い出すことは、その痛罵の殆どがこの共著所収の論考「聖女の如き高瀬露」に対するものだったということだ。つまり「賢治学会」のこの幹部は、高瀬露は決して〈悪女〉などではないということを実証した同論考を、思いっきり腐して下さっていたということである。

 もし私の主張に異論があるのであれば陰でそんなことはなさらずに、私に直接学問的にご教示いただきたい。端的にいえば、検証された私の仮説に対してたった一つでいいのです、その反例を直に私に提示していただきたい。もしそれが、たしかに反例であれば私は謙虚に受け止め、素直に当該の仮説を即棄却するという覚悟をしていますので。ところが現実は、その方は私に反例を突きつけて下さることはなさらずに、私の知らないところで露に関する私の論考をみそくそにけなして下さっている、ということを私はたまたま知るはめになったのだった。

 そして今になって一連の流れを振り返ってみれば、同論考によって本当の高瀬露が広く知られてしまうと困るので、私の露に関する論考を陰で痛罵しておられたのだと、そして今度は『本統の賢治と本当の露』が全国販売されることになったので同様に困ってしまったから、あのような文書が全学会員に送付されたのだ、と解釈すればその訳が私には透けて見えてくる(もちろん、これはあくまでも私からみ見てのことだが)。

<*2:註> 現「賢治年譜」には常識的に考えてみておかしく、しかも検証してみてもおかしい個所が少なからずありますので、それらのいわば液状化現象を起こしている個所を一度再検証してみることが不可避だと思います、というようなことを平成29年の春先に「賢治学会」の幹部に私は伝えたことになったわけだが、そのせいだろうか、同学会の幹部から私は「学会に反対する人物」と昨今言われているそうだ。あくまでも私は、「仮説検証型研究」等の手法に拠って検証した結果を、賢治研究の発展を願って伝えたに過ぎずないのに。残念なことだ。

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 この度、『本統の賢治と本当の露』(鈴木守著、ツーワンライフ出版、定価(本体価格1,500円+税))を出版いたしましたのでご案内申し上げます。

 本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものです

 現在、岩手県内や東京の書店におきまして販売されおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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