みちのくの山野草

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本日の下根子桜(12/31)46

2020-12-31 14:00:00 | 下根子桜八景
《1 》(2020年12月31日撮影)

《2 》(2020年12月31日撮影)

《3 》(2020年12月31日撮影)

《4 》(2020年12月31日撮影)

《5 》(2020年12月31日撮影)

《6 》(2020年12月31日撮影)

《7 》(2020年12月31日撮影)

《8 》(2020年12月31日撮影)


 賢治に報告した、『宮沢賢治と高瀬露―露は〈聖女〉だった―』(「露草協会」、ツーワンライフ出版)所収の、
    Ⅲ 私たちは今問われていないか― 賢治と〈悪女〉にされた露―   鈴木 守
の「五 おわりに」は次のとおりです、と。

五 おわりに
 さてここまで、未完に終わった上田哲の論文「「宮沢賢治伝」の再検証㈡―〈悪女〉にされた高瀬露―」を基に、そしてそれに幾ばくか補完させて貰いながら、主に「仮説検証型研究」という、オーソドックスな研究手法に依って〈悪女・高瀬露〉を再検証をしてきた。
 その結果、〈高瀬露悪女伝説〉は単なる虚構であり、〈高瀬露は悪女とは言えない〉がその「真実」だということを検証できた。
 よって、上田の遺志によって命じられたと私自身は認識している課題の半分には、ある程度応えることができたものと安堵している。ただし、まだ半分が残っている。
 というのは、露は〈悪女〉の濡れ衣を着せ続けられてきたということが少なくとも否定できないことがこれで明らかになったので、〈悪女・高瀬露〉はもはや人権問題となってしまった。しかも、〈高瀬露悪女伝説〉は全国に流布しているから、当然これをこの世から葬り去り、貶められた高瀬露の人格や傷つけられた尊厳を回復せねばならない、という残り半分の課題がである。
 そしてそれは、露一人のためだけでなく賢治のためにも、である。というのは、生前賢治が、血縁以外の女性の中で一番世話になったのが露だ。ところが、その露がとんでもない〈悪女〉にされているという実態があるので、このままでは、賢治はいわば「恩を仇で返した」ということになり、「歴史」から誹られる虞があるからだ。
 とはいえ、残念ながら個人的な取り組みではこの課題の解決は殆どどうにもならない。がしかし、かなり確実に解決できる方途があることに気付く。それは、宮沢賢治学会が〈高瀬露悪女伝説〉を再検証してみたところ、露は悪女とは言えないということであったならば、そのことを公的に宣言することによってである。同時に、もしそうなったとすれば、賢治が誹られる虞もなくなる。そしてもちろん、露の濡れ衣は一気に晴れるし、露の名誉と尊厳もかなり取り戻せる。
 畢竟するに、時代は変わってしまったのだ。昔ならいざ知らず、今の時代は何にもまして人権が優先される時代だから、もはや人権問題となってしまった〈悪女・高瀬露〉の解決は喫緊の重要課題である。となれば、私たちがこのことを見て見ぬ振りしていることを時代はもう許さないのではなかろうか。そしてまた、いつまでも等閑視していていいのかと、賢治から私たちは今問われていないか。

 すると賢治は、
 だから、「私たちは今問われていないか」ということだったのか。まさに、そのとおりだ。私も、「恩を仇で返した」と誹られたくないから、これからも宜しく頼むよ。そう、焦らず、慌てず、諦めずにな。

と応えてくれたような気がした。

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《新刊案内》
 『宮沢賢治と高瀬露―露は〈聖女〉だった―』(「露草協会」、ツーワンライフ出版、価格(本体価格1,000円+税))

は、岩手県内の書店で店頭販売されておりますし、アマゾンでも取り扱われております
 あるいは、葉書か電話にて、入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金として当該金額分の切手を送って下さい(送料は無料)。
            〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
            ☎ 0198-24-9813
 なお、目次は次の通りです。

 そして、後書きである「おわりに」は下掲の通りです。



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