
【東北砕石工場技師時代の賢治(1930年頃 撮影は稗貫農学校の教え子高橋忠治)】
<『図説宮澤賢治』(天沢退二郎等編、ちくま学芸文庫)190pより>
<『図説宮澤賢治』(天沢退二郎等編、ちくま学芸文庫)190pより>
では今度は『宮澤賢治』(佐藤隆房著、冨山房、昭和17年9月)からである。
さて、同書には東北砕石工場技師時代の賢治や、石灰の施用に関してどんなことが書いてあるのだろうか、ということで通読してみたならば見つかったのが、「九三 東北砕碎石工場」という節である。そしてそこには、
病氣の恢復した昭和六年の四月、賢治さんは、その含蓄した肥料と岩石に關する知識が買はれて、東磐井郡松川村に出來た東北碎石工場の技師に就任しました。
石灰肥料の製造で工場の設計もなかなかよい所へ、お手のものゝ肥料の學説から書き綴つた廣告文が垢拔けしてゐ、それに賢治さんの販賣術も商家生まれだけに手に入つたものでした。
ということなどが書かれていた。ただしその内容に、目新しいものはとりたててないし、記述内容もそれほど重要なことが書かれていたわけではない。石灰肥料の製造で工場の設計もなかなかよい所へ、お手のものゝ肥料の學説から書き綴つた廣告文が垢拔けしてゐ、それに賢治さんの販賣術も商家生まれだけに手に入つたものでした。
というわけで、先の〝『イーハトーヴォ第三号』(昭和15年1月)〟で出した取り敢えずの結論、
この頃(昭和15年頃)になると、松田甚次郎、真壁仁、そして森荘已池などが、東北砕石工場技師時代の賢治や、石灰に関して言及し始めていた。
以上のことは、昭和17年9月時点でも見つからない、と言って良さそうだ。 
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