みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

2972 「椀コ」はやはり「赤林山」

2012-10-25 08:00:00 | 賢治関連
                       《0↑赤林山》(平成24年10月27日撮影、湯沢付近から)
「椀コ」の特定
 さて前回の結果から、賢治は「現赤林山」のことを当時も「赤林山」であると認識していたであろうことがほぼ間違いないと解ったので、ここではそのことに基づいて「椀コ」はやはり「赤林山」であると特定できることを再度主張したい。

 賢治の文語詩「岩頸列」の出だし
   西は箱ヶと毒ヶ森、        椀コ、南昌、東根の、
   古き岩頸の一列に、       氷霧あえかのまひるかな。

の中に出てくる岩頸の一列の山々は
   箱ヶ(森)、毒ヶ森、椀コ、南昌(山)、東根(山)
となっている。そして、始まりが「西は箱ヶ…」となっているから、これらの岩頸列は
   西から東へ順に箱ヶ森→毒ヶ森→椀コ→南昌山→東根山……①
のように並んでいると考えられる。
 ところがこれらの山々が揃って見られる場所はあまりない。特に毒ヶ森が見えないからである。それは南昌山のある矢巾町内でさえもそうであるが、場所を探せば何とか見つかる。例えば次のように。
《1 毒ヶ森》(平成24年10月14日撮影)

しかし、毒ヶ森が見えれば見えるでまた別な問題が生じる。この上の景をズームアウトすると次のようになる。
《2 南昌山、毒ヶ森、赤林山》(平成24年10月14日撮影)

それは、東根山が見えないからではない。東根山は視線を南に動かせば次の
《3 東根山、南昌山》(平成24年10月14日撮影)

ように見えるから東根山は問題ない。問題は、毒ヶ森が見えたら見えたで、お気付きのように今度は箱ヶ森がそこからは見られないという問題が生じる。
 ではこれらの岩頸、「椀コ」はさておいて残りの全て、つまり次の4つの岩頸(箱ヶ森、毒ヶ森、南昌山、東根山)が揃って見える場所は例えばどこか。それは、地形図上で思考実験をすればお気付きのように、盛岡の高台、例えば蝶ヶ森山とか愛宕山からならば可能であり例えば次のように見える。
《4 蝶ヶ森山から眺めた岩頸》(平成20年12月16日撮影)》

《5 愛宕山から眺めた岩頸》(平成20年5月16日撮影)

そして、これら2葉の写真からお解りのように、盛岡のこの辺りから眺めれば右側から順に
  箱ヶ森→毒ヶ森→赤林山→南昌山→東根山……②
の岩頸が一連なりとなって見えるのである。
 よって①と②より、その岩頸の順番
   箱ヶ森→毒ヶ森→椀コ→南昌山→東根山
   箱ヶ森→毒ヶ森→赤林山→南昌山→東根山
に注意すれば
   「椀コ」はやはり「赤林山」
と特定できるのではなかろうか。そして、この辺りからの赤林山はまるでお椀を伏せたように見える、つまり「椀コ」状に見えるのでなおさらに。なおここからならば、「西は箱ヶと毒ヶ森」と詠まれているように、西に箱ヶ森と毒ヶ森が位置していることも勿論である。

 続きの
 ””へ移る。
 前の
 ”「赤林山」は賢治の頃も「赤林山」”に戻る。

 ”みちのくの山野草”のトップに戻る。


コメント   この記事についてブログを書く
« 2971 「赤林山」は賢治の頃も... | トップ | 2973 賢治の「農民劇」  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

賢治関連」カテゴリの最新記事