気の向くままに

山、花、人生を讃える

平成万葉集「女と男」より

2019年05月25日 | 平成万葉集

「平成万葉集」第2部「女と男」の中で、こんなナレーションがありました。

平成時代の特徴として、
○50歳までに一度も結婚したことのない人は、男性では4人のうちの1人、女性では7人のうち1人・・・・と。

 

女性の「7人のうち1人」でも多いと思うが、男性の「4人のうちの1人」というのは、予想外を通り越して「それ本当の話?何かの間違いでは?」と疑いたくなるような数字です。それで、そのコーナーではこんな歌が紹介されていました。

 

    恋をしてほしい息子は恋をせぬ  ゆっさりと夏のケヤキみたいで

    結ばれることはそんなに正しいか  未も既も消して非婚と書けり

 

勿論、結婚しなくたって問題があるというわけではないが、その数が多いとなれば話は別で、「何か変」という気がしてきてもおかしくないと思う。ところが、この頃の若い人は恋愛もしないのかと思うとそうでもないようだ。例えば、こんな歌が紹介されています。

 

    ソックスを忘れた土曜の昼間でも  一番ホームの君を探している

    コーラにもカレー粉にもある香料の  ように私に必要な君 

    海のくせに黙って引いてゆくなんて  意気地なしって言えずに泣いた

    待ち受けを空から海へ変えている  会いたくて仕方がない夜である

    ケータイを畳み両手で胸に当て あこがれこがれこわがるなかれ

    大嫌い何度も思った帰り道 でも君意外とは喧嘩はしない

    永遠の時間をかけて君が好き  北斗七星は明日も七つ

 

こういう歌を見ると、「青春て、いいなあ」と思うし、応援したい気持ちにもなります。

ところが、人生は複雑であって、いや、人の心が変わりやすいのか、こんな歌も出て来ます。(笑)

 

    ホームラン打ったつもりで結婚し 三十五年試合は続く

    家じゅうにお節介なる声のする  家電いずれも女のしゃべる

    この世には弱い女はいてません  はかなげ見せこそ最強の人

    妻と毒字画似ておりあなどるな  目には見えねど牙を持つ

    緒の切れた堪忍袋携えて  今週も行く熟年離婚講座

 

 と、いうように、思わず「同感!」と笑ってしまうものもあります。

まあ、いろいろありますが、どれも人生の一断面。

『神との対話』によれば、人間は、喜びも悲しみも、いろいろ経験しながら、何がほんとうの自分かを経験的に知るのだと・・・。

そして、悲しみの経験が人を育てる、大きくするということも事実。(だからといって「悲しみ」を経験したいとは思わないが)

 

人の歌の紹介ばかりでは申し訳ないので、わたしも作ってみました。まじめな歌なので絶対笑わないでいただきたい。

 

    お前のこと今でも好きと言いたいが 何とかならぬかそのおせっかい

    あな嬉し「長生きしてね」に喜べば  年金たくさんもらえるからだって

    昔ヒデハルさん今お父さん  一度やさしく「あなた」と呼んで

 

え~、可笑しいと思ったら、どうぞご遠慮なくお笑いください。笑うのは健康にもいいそうですのて。

泣くのも良いそうだが。


それでは最後に、お口直しで(前の)天皇・皇后陛下のお歌です。

 

    人々に見守られつつ御列の  君は光の中にいましき               (平成21年 皇后陛下   即位の日を思出して)  

    五十余年吾を支え来し我が妹も  七十七(ななとせなな)の齢迎えたり     (平成23年 天皇陛下) 

    去れる後も如何に思わむこの苑(‘その)の  光満ち君の若くませし日      (平成30年 皇后陛下)

 

 

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