ども、砂川です。
昨日、スズキ社の鈴木修会長の記者会見が行われました。
先日の報道以来、たくさんの方からご心配いただきましたし、私自身もモヤモヤした気分でしたケド、やっとスッキリしました。
朝日新聞では「不正」という言葉を強調しているようではありますケド。
以下、国沢光宏さんの記事をそのままご紹介させていただきます。
<スズキの修会長が燃費計測不正で全面的に謝罪!しかし猛省すべきは国交省では?>
スズキの燃費計測法令違反についての記者会見が行われた。内容を聞いていて「なるほど!」と思ったのは、国交省が定めた走行抵抗測定方法の古さである。正しいのはスズキかもしれない。もっと言えば、国交省は今回の件で猛省し、メーカーいじめのような走行抵抗の計測方法を改めるべきだ。以下、説明しよう。
スズキが法令違反を始めたのは2010年だったという。きっかけは欧州の燃費計測方法にある。この時点で欧州の走行抵抗値は、風洞やタイヤの転がり抵抗など別個に計った数値を積み上げることが認められていた。そもそも実車を走らせて走行抵抗を計ろうとしても正確と言いがたい。ホンの少しの横風を受けるだけで空気抵抗は大きく変わるからだ。
空気抵抗は風洞の方が正確だし、タイヤの転がり抵抗だって厳密に計れる。考えて欲しい。
病院が手術で使う機具を消毒する場合、今まで「5分洗い、10分煮沸する」。けれど洗い方による差が出るし、煮沸しても細菌ゼロという補償もない。技術が進んだ国は「精度の高い洗浄&煮沸装置を使い、しかも最後に細菌の検査まで行う」方法を考えた。
その方法を見た人が「素晴らしい!我が国でもこの方法を取り入れよう!」と考え、自分の国に戻って始めた。しかし!その国では「5分洗い、10分煮沸する」という方法でないと法令違反になってしまう。
ということを認識しつつ「正しい方が良い」と信じていたため、技術の進んだ国と同じ方法を使った。当然ながら悪いとなんか思わない。
記者会見を聞いていて「そうでしょうね」と納得する点も多い。
スズキがタイヤメーカーに転がり抵抗値を指定してオーダーしたのに、てんで悪い数値のインチキなタイヤを出してきたこともあったそうな。
こんなタイヤ使って惰行法で走行抵抗計ったって市販車と違うのだから意味ない。そもそもタイヤの転がり抵抗だけ計らないと解らない。
クルマの開発に於いて、量販部品が揃うのは認証を受ける前後のタイミングになってしまう。もっと言えば、ハスラー1車種だけで燃費は9区分。これを全て揃えて実車で走行抵抗測ろうとすれば、開発コストや工数的に猛烈な負担となる。
だったら欧州のように新しい基準を取り入れろよ、というのがスズキのホンネだろう。
ちなみにヤル気になれば燃費計測など難しくないということなんだろう。スズキは2週間ほどで14車種の燃費を全て計り直したそうな。届け値より悪かった車種は皆無だったとか。
欧州と同じ方法で正確な走行抵抗を使っていたのだから当然かもしれない。という説明の後で、鈴木修会長は以下のように謝罪した。
意訳すると‥‥「とにかく日本では守らなければならないことを守らなかった。全面的に悪い。テストコースが悪いと言ったことなど、言い訳じみた前言も全て撤回します。ということでひとつよろしくお願いします」。
「ひとつ」の意味は不明ながら、これで一件落着になるかもしれません。もちろん一般メディアの皆さんは納得していない様子。
[Text:国沢光宏]