ども、砂川です。
スコセッシつながりでもう1本、「グッドフェローズ」です。
実話をもとにしたギャング映画で、レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシが主演です。
始まるなりローリング・ストーンズやマディ・ウォーターズの曲がかかり、あぁ、スコセッシだな、とニヤリ。(笑)
映画評論家の町山智浩さん曰くハリウッドの流れを変えた名作だそうで、ステディカムを使った長回しもですケド、やはり音楽ですね。
空港を襲って金品を強奪し、口を割りそうな仲間を殺害していきます。
冷凍車を開けると大きな牛の肉と一緒に死体がぶら下がっていたり、ゴミ焼却車のなかに転がっていたり、の残虐なシーンで流れるんはデレク&ザ・ドミノスの「愛しのレイラ」のピアノソロ部分。
一見すると大きな矛盾のようでありながら、コレは「対位法」といって、美しいメロディを流すコトでより残虐さが強調される、という手法だそうな。
苦いカラメルがプリンの甘さを引き立てるのと同じですね。
ギャング映画で有名なのはフランシス・F・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」シリーズですケド、その神格化されたかのような映像の美しさにくらべて、コチラは実話をもとにいているからか、手荒い、生臭いシーンが多いのも特徴的です。
「グッドフェローズ」とは直訳すると「気の置けない友達」といったトコロですケド、マフィア界の隠語では「自分と同じ組織の所属にある者」という意味だそうな。
で、今回、町山さんの解説ではぢめて知りました。
いわゆる「マフィア」ってのは両親ともにシチリア島出身のイタリア人しか入るコトを認められなくて、そういう意味では母方にナポリの血が入るあのアル・カポネでさえ「マフィア」ではなかったそうな。
ぢゃ、アイルランド系やユダヤ系で「マフィア」に入るコトができない、でもその周辺にいてなかなか悪いコトをする人たちは「ワイズガイ」と呼ばれるそうで、この映画でいうとレイ・リオッタやロバート・デ・ニーロがそうです。
日本でも最近は「半グレ」なんて言葉がありますね。
ジョー・ペシは作中では両親ともにシチリア系、ある時にマフィアへの「昇格」を許されます。
しかし、以前にちょとした揉め事で仲間を殺していたコトが発覚し、まもなく粛清されます。
それを電話で知ったロバート・デ・ニーロ、怒りと悔しさと悲しみで公衆電話の受話器を叩きつけ、電話ボックスをめちゃくちゃに壊して倒してしまいます。
この部分は彼のアドリブだったそうで、「倒して」しまったコトで電話ボックスがセットだったコトがバレちゃう。(笑)
でも、そのあまりの演技力でスコセッシがOKを出し、そのまま使われているという・・・。(笑)
仲間を裏切り、警察から保護される静かな生活を手に入れたレイ・リオッタ、そのラストシーンで流れるのはシド・ビシャス版の「マイウェイ」。
最後までニヤリとしました。(笑)