ども、砂川です。
宮尾登美子さんの「仁淀川」を読み終えました。
櫂~春燈~朱夏と続いた自叙伝的小説の最終章、はぁ~、読みごたえがありました。(笑)
満州で敗戦を迎え、夫と幼い娘と共に必死に引揚げてきた20歳の綾子は、故郷高知県の仁淀川のほとりにある夫の生家に身を落ち着けます。
農家の嫁として生活に疲れ果てて結核を発病した綾子に、さらに降りかかる最愛の母・喜和と父・岩伍の死。
絶望の底で、せめて愛娘に文章を遺そうと思い立った綾子の胸に「書くことの熱い喜び」がほとばしり・・・。
戦後の焦土のなかの苦労というよりも、焼け残されてなおつづく田舎の因習との戦いが描かれていて、そのあまりの描写力に驚きます。
連作4巻、読み終わってみて、なんだか長い旅が終わったような気分。
「鬼龍院花子の生涯」や「陽暉楼」など、スピンオフ的な他の作品もありますケド、少し離れてみようかな、と今は思ってます。
それくらいお腹がイッパイ・・・。(笑)