ども、砂川です。
「朱夏」を読み終えました。
「櫂」「春燈」に続く宮尾登美子さんの自伝的小説で、このアト「仁淀川」へと続きます。
同郷の土佐から入植した開拓団の子弟教育にあたる夫、生後まもない娘と共に、満州へ渡った綾子は十八歳。
そしてわずか数カ月後、この地で敗戦を迎えることになります。
果してまだ、日本はあるのか……?
昨日までの人間観・価値観は崩れ去り、一瞬にして暗転する運命、しのび寄る厳寒。
苛酷無比の五百三十日を、やはり変わらず重厚な表現力で描かれています。
突如参戦してきたソ連が終戦後にどんなコトをしたのかは以前に読んだ山崎豊子さんの「不毛地帯」でもありましたケド、ホントに生々しいです。
そしてそのような状況下におかれた人々が高潔な道徳心を保ち続けるのがいかに難しいのか・・・。
もちろん、続けて「仁淀川」を読みます。