スナブログ

砂川自動車商会のドモドモ日記

スナブログ:「アラビアのロレンス」

2020-06-22 17:51:44 | 映画

ども、スナガワです。

前述の「ドクトル・ジバゴ」を見てココロの底まで震えた私、同じく巨匠デヴィッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」をぜひとも見てみたい、と思っていたら、なんと都合よく放送される・・・。(笑)

第一次大戦下のアラビア半島を舞台に、英国陸軍将校でありながらアラブ民族の独立闘争を率いたトマス・エドワード・ロレンスの冒険と、その苦悩と波乱に満ちた生涯を描いた壮大なスペクタクル・ロマンで、美しくも過酷な砂漠の描写が圧倒的です。

かのスティーブン・スピルバーグがこの作品を見て映画監督になるのを決心した、とまで言われ、今も新しい仕事にかかる前には必ず見るとのコト。

完璧主義者のデヴィッド・リーン監督らしく、最初から最後までの映像コンセプトが完全にコーディネートされてますね。

砂漠の地平線、真っ青な空がスクリーン全面に映し出され、その地平線のかなたから小さな黒い「点」が近付いてきて、それが「人」になる、その圧倒的な美しさには言葉を失うほどです。

そして、その「不毛」とも言える砂漠を指して、「清潔だから好きだ」と言い切るロレンス。

作品中のセリフで少し触れられますケド、ロレンスの父はは聖職者でありながら不倫を働き、その結果生まれた「不義の子」であったため、自分の居場所を見つけられないトラウマに生涯脅かされ続けたのでした。

この作品は大きく分けると二部構成になっていて、前半はロレンスがアラビア軍を率いてトルコ軍のアカバ湾を攻略し英雄になり、後半はアラブ軍が占領したダマスカスを、イギリスが植民地としてフランスと割譲する密約を結んでいたコトから、アラブ、イギリス双方から疎まれる存在になってしまいます。

作品中、バイクが3回登場し、冒頭のバイク事故のシーン、中盤、シナイ半島の横断に成功して助けを求めるシーン、そしてラストの母国へ帰郷するシーン、物語の流れが変わるトコロで効果的に使われます。

コレは「ドクトル・ジバゴ」の時の列車と同じですね。

冒頭からラクダや馬などの移動のシーンはすべて左から右、だったのに対して、ラストのジープだけが右から左。

「いよいよ帰れますね」「帰る場所なんてないよ」

ロレンスのトラウマを表している名シーンです。

4Kレストア版、4時間近い映画ながら、あっという間でした。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする