ドクウツギ:毒空木(ドクウツギ科ドクウツギ属)は、本州近畿以東、北海道の川岸や日当たりのよい道端などに生える落葉低木で、別名もイチロベゴロシといわれて、名の通り強力な毒(アルカロイド)を有しています。赤く熟す科実は一見美味しそうに見えますが猛毒で、死亡例も少ないといいます。
葉は対生し、長さ6~8cmの卵状長楕円形で3行脈が目立ち、見極めが比較的容易ですが、これまた生葉24gが致死量といわれるほどの猛毒です。
本科はドクウツギ属1属からなり、日本にはこの1種だけ、世界に約10種がアジアや北アメリカなどに隔離分布することでも知られています。
同様の隔離分布する植物としては、ハエドクソウ、サネカズラ、イワナシ、モクレン科のいくつかなどがあります。これらの隔離分布がどうして生じるかについては、前川文夫博士の「古赤道分布」説が有力ですが謎が残ります。