植物園で見たベニバナ:紅花(キク科ベニバナ属)の花です。
エジプト原産といわれ、日本には4~5世紀ころ渡来したといわれる有用植物で、花は染料、切り花、種子は搾って紅花油に利用されてきました。とくに江戸時代には最上紅花といわれて、山形県での栽培が盛んで、いまも山形県の県花となっています。
もっとも、近年科学的に合成された染料の普及によって、国内での紅花の生産は急速に衰え、今では観光用などにわずかに栽培されています。
高さ1mくらいの2年草で、花は夏、頭花は径2.5~3cm、はじめ鮮黄色から徐々に赤くなります。小花を摘んで陰干しにし、生薬、染料とします。
種子から絞る油はリノール酸を多く含み高品質で健康によい食用油(サフラワー油)として人気があります。
スエツムハナ(末摘む花)というきれいな別名がありますが、こちらは紫式部のおかげで少々損をしているみたいです。