簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

ウインタースポーツ(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-06-07 | Weblog


 北アルプスを望む大糸線の沿線には、夏の登山のみならず冬も人気で、
スノーリゾート地として賑わいを見せるという。
しかしそのアクセスともなると、今日の鉄道では何とも心許ないようだ。
特に多くのスキー客が入り込む冬は、首都圏、中京圏、関西圏などから
運行される高速道路経由のバス利用が多いらしい。


 かつて昭和の鉄道全盛時代には、この路線でも新宿始発の急行「穗高」、
「アルプス」、「白馬」等が運行され、登山やスキーなど多くの客に利
用されていたものだ。
 しかし今日では、優等列車も首都圏からの特急「あずさ」が、南小谷
まで一日一往復乗り入れている他は、冬のシーズンに、長野と南小谷間
に臨時快速が一日一往復増発されるだけである。(2020年12月現在)



 ところで日本生産性本部のレジャー白書、「余暇活動参加人口上位20
種目(2019年)」を見ると、スポーツ関連では、ウォーキングが10位、
器具を使わない体操が19位に入っている。
しかし、スキー、スノーボードはランキング外だ。



 昨今では、スキー人口は減少傾向に歯止めが掛からない状態らしい。
その分スノーボード人口が増えているかと言えばそうでも無く、こちら
はほぼ横這いだ。
それらの用品の市場規模は1980年代後半から急伸し、90年代にピーク
を迎えたもののそれ以降は縮小し、その右肩下がりは今も止っていない。
スキー人口はめっきり減ってしまったようだ。



 車窓から雪景色を眺めていると、1960年代から70年代にかけて、信
州の山々やゲレンデに向かうための「発駅着席券」を求めて、帰省客等
に混じり、駅コンコースに何時間も前から並んだあの頃が今に成って懐
かしく思い出されてくる。(続)





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日本海側気候(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-06-04 | Weblog
 川の流れ方向を分ける分水嶺は、気候をも分ける境界線らしい。
信濃川水系と姫川水系を分ける佐野坂峠の分水嶺を境に、南側は中央
高地式気候、北側が日本海側気候に分類されている。

 中央高地式気候は、周囲を高い山に囲まれた盆地の気候を言い、冬
の気温は低く厳しいが、雪は比較的少ないらしい。
それに対して日本海側気候では豪雪地帯が多くなると言う。





 大糸線は、稲尾駅や海ノ口駅では木崎湖を、その先の簗場駅では中綱
湖に続く青木湖の所謂「仁科三湖」を左手に見ながら北上してきた。
これまでの大町側でも寒さは厳しく積雪もあったが、沿線はここからは
一段と寒さも増す雪の多い白馬村で、所謂多雪地帯、豪雪地帯などと呼
ばれる地域に入ってきたようだ。





 白馬村から小谷村にかけての車窓は、深い雪に覆われた白一色の世界
が展開する。廻りは比較的傾斜の緩い山並みが続き、広々としたスキー
場を目にすることも多くなる。

 特に白馬村は、夏は冷涼な避暑地として、冬はスノーリゾート地とし
て人気だ。白馬山麓のスキー場は、大正時代に始まり、昭和27(1952)
年には日本で最初のスキー場リフトが架けられたことにより爆発的な人
気を得たという。





 国内では最大規模の八方尾根スキー場を初め、栂池高原や、白馬に代
表される大きなスキー場等が目白押しで、広大なゲレンデやリフト等が
車窓からも見える。

 またそれを取り巻く様に、リゾートホテルと思われる建物や、旅館や
民宿、ペンションなどの宿泊施設が雪の中に立ち並ぶ様もあちらこちら
にあり、しばし車窓を楽しませてくれる。(続)




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分水嶺(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-06-02 | Weblog
 大糸線の車窓から青木湖が遠ざかると、列車は大町市から白馬村に入る。
そこで大きく西にカーブする辺りが佐野坂峠で、ここが信濃川水系と姫川
水系の分水嶺だ。



 分水嶺とは、降水の流れる方向の分れ道のことで、日本列島で言えば、
太平洋側と日本海側を分ける境界線で、これを「中央分水嶺」と言う。
学校でそんな風に習った覚えがある。
またこれに限らず、太平洋と日本海への別れは「大分水嶺」、同じ海洋
に流れる異なる河川境界は「中分水嶺」とも言うらしい。



 南神城を経て神城を過ぎる辺りから、右側には姫川水系の姫川の流れ
が寄り添ってくるが、姫川はここ白馬村の湿原の湧水を水源とする一級
河川で、凡そ60㎞先、日本海の糸魚川に流れ下っている。
湧水が水源の性か水質は良く、何時も上位にランキングされるという。



 姫川の源流域は、「姫川源流域自然探勝園」という園地に成っている。
南神城がその最寄り駅で、ここにも立ち寄って見たく思っていた。
しかしその頃は、もうすっかり日が暮れてしまって無理であった。
列車の本数が少ない路線だけに、もう少しゆったりとした日程を組まな
いといけなかった。



 分水嶺の中には公園のように整備され、観光地として知られるところ
も少なくは無い。
例えば広島県の上下町は分水嶺の町として知られていて、降水が日本海
(上)と瀬戸内海(下)に流れる事から、「上下」が町名になったとも
言われている。



 今では登山やハイキングなど、山歩きを兼ねて訪れるトレイルも結構
人気があるらしい。
これまでにもそういった所を何カ所か訪ねた事があるが、同じ処に降っ
た雨や雪、湧き出た水が、全く違う方向に流れて行く様を見るのは、中
々に興味深く面白いもので有る。(続)





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