簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

海自カレー(海上自衛隊呉基地見学記)

2019-09-06 | Weblog

 海上自衛隊の艦船が、一度その任務に就くと長い航海に成ってしまう。
そんな最中の隊員達の数少ない楽しみの一つが三度の食事だと言う。
その性か自衛隊の中での食費は、海上自衛隊が一番高いのだそうだ。



 毎日変化の乏しい海ばかりを目にしているのだから、解るような気がする。
しかし楽しみな食事を重ねていても、次第に隊員の曜日感覚がずれてしまうの
だそうだ。それを忘れないようにするために、毎週金曜日の昼に振る舞われた
のがカレーである。





 呉基地に所属する艦艇等では、それぞれの艦が独自のレシピを持っていると
言われている。そのことは、その数だけ多彩なカレーがあると言うことだ。
呉の町ではそこに着目し、各店が艦毎のカレーの味を忠実に再現し、艦長や調
理長のお墨付きを得て、市民が気軽に食べられるように商品化した。





 呉の町ではこうした「海自カレー」が評判だと言う。
年に一度フェスタが開かれ、お店を巡るスタンプラリーなども折りに触れ企画
されている程だ。今ではホテルのレストランや食事処、喫茶店など、およそ30
店で味わうことが出来るという。



 こんな地を訪れていると言うのだから、幾らかの味に触れてみたい所ではある
が、団体行動の悲しさ、時間がなく自由がきかない。
僅かばかり用意された自由時間では、カレーを一杯食すことも出来ない。
帰り際に併設されたショップで、お土産のカレーを手にするのみだ。
未練ばかりが募り後ろ髪引かれる想いで、帰途につくバスに乗り込む事となった。
(海上自衛隊呉基地見学記 完)

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潜水艦・あきしお(海上自衛隊呉基地見学記)

2019-09-04 | Weblog

 海上自衛隊の広報施設・呉資料館、愛称「てつのくじら館」の最大の目玉は、
なんと言っても平成16(2004)年まで実戦配備されていた「ゆうしお型潜水艦・
あさしお」の内部見学である。
本物実物の潜水艦が展示されるのは、国内ではここが最初の試みらしい。





 資料館の建屋の前に据えられた全長76.2m、幅9.9m、重さ2250tの潜水艦の内
部へは各階の展示室を辿り、3階のスペースを抜け、そこに設けられたブリッジ
を渡る事になる。
流石に現役潜水艦「みちしお」で体験した、ハッチから垂直梯子を使って乗艦と
はいかないので、ここでは見学用に開けられた入口から入艦となる。





 75名が乗り組んだという館内は狭く、通路は人一人がやっと通れる程の幅
しかない。その両側にある艦長室(艦内唯一の個室)や士官室、トイレやシャ
ワー室、キッチンなどが公開されていて、乗り組み員の実際の生活ぶりを窺い
知ることが出来る。

 どの部屋も広さは全くない。ベッドも高さが1m未満と思える狭苦しい三段
ベットで、良くこんな場所で睡眠がとれるものだと、隊員のタフさには感心さ
せられる。士官クラスならようやく二段ベッドとなるが、隊員にとってはこの
場所が唯一のプライベート空間、安息の場所らしい。





 通路の奥には艦の心臓部・発令所があり、ボランティアスタッフが控えてい
て説明を加えてくれる。
ここには艦をコントロールする操舵や色々なセンサー、計器類が並んでいる。
実際に使われていた潜望鏡も体験することが出来る。
勧められて覗いて見ると丸い画面に細い十字の線目盛りが刻まれている映像は、
望遠鏡を覗いた時そのもので、クリアな視界は思った以上であった。(続)

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鉄のくじら館(海上自衛隊呉基地見学記)

2019-09-02 | Weblog



 「大和ミュージアム」とは道路を隔てた目の前にあり、一際目を引くグレー
と赤に塗り分けられた巨大な潜水艦が据えられ、来場者を出迎えているのが海
上自衛隊呉資料館である。
愛称は「てつのくじら館」と言い、潜水艦をくじらに見立ててのことだ。



 施設は呉市の重要な観光資源の一つとなっているが、目的はあくまでも海上
自衛隊への理解の促進と、地域との共生に貢献することだという。
開館は平成19(2007)年4月5日と言うから、「大和ミュージアム」より遅れる
こと2年になる。
民間の施設とは異なるので、観覧料の必要が無いのはありがたい。
無料とは言え、簡易な施設ではなく、三階建ての立派な建屋を構えている。



 その建屋の前に据えられた巨大な「てつのくじら」の下が館エントランスへ
のアプローチとなっていて、そこを通り抜け入館することになる。
中はすぐに展示スペースとなっているが、正面左手にはグッズを販売するショッ
プとカフェも併設されている。



 その一階部分には、この地に駐屯する海上自衛隊に関する歴史が、パネルを
多用して紹介する展示が行われている。
エスカレータで上がった二階には、海上自衛隊の戦後の主な任務となった掃海
部隊の活動を中心とした展示が行われている。
機雷や掃海艇、その構造材などの実物を中心とした展示だ。



 そして三階には潜水艦の役割や機能、館内生活などに関する情報や、潜水
艦の攻撃兵器である魚雷に関する展示などもある。
このフロアからは、展示の目玉である実物の潜水艦の館内体験が出来るよう
になっている。(続)



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