簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

宿場町・矢掛 (井原鉄道沿線の旅)

2018-10-08 | Weblog

 江戸時代初期に参勤交代が制度化されるとこの地は宿場町としての整備が
進められた。
元禄の頃には街道に沿って東西に約800メートルの町並が形成され、それは
北側に95軒、南側に102軒の屋敷がウナギの寝床と呼ばれる短冊形の地割り
で並んでいたという。



 旧山陽道の通りには江戸時代以降の建物も多く残されており、それらに混
じって古い商家や民家を改装したイベントスペースや、お土産屋、食事処、
宿泊施設なども多くありこの町の見どころとなっている。



 通りに面した間口の狭い妻入りの家屋は、当時の姿を今日に引き継いだも
のだ。一般的に古い街道の町並では、平入りか、妻入りどちらかに統一され
た家屋が建ち並んでいることが多いが、この町並はそれらが混在している。
そんな黒瓦白壁の重厚な建物が立ち並ぶ姿はなかなかに見応えがあり面白い。
ここ矢掛は岡山県の町並み保存地区に指定されている。





 この町の最大の特徴は、旧矢掛本陣と脇本陣が何れも当時の姿を留めて残さ
れていることで、これは全国的に見ても極めて珍しい事である。
両家は何れも国の重要文化財に指定されている



 旧矢掛本陣石井家(有料公開中)は、街道を参勤交代で行き来する西国大
名や公家、幕府の高級役人などの宿泊・休憩施設として使われたところで、
約千坪もの広大な敷地に江戸時代中期以降に建てられた母屋や蔵などが残さ
れている。
 
 そこから300mほど離れたところには、脇本陣の金融業で財を成した脇本陣
高草家(有料公開中)の白壁・黒瓦屋根の堂々とした住宅がある。
財をなした後に周辺を買い足して増改築を繰り返し、広げ現在に至った建物だ
という。(続)



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矢掛駅(井原鉄道沿線の旅)

2018-10-05 | Weblog

 矢掛(やかげ)は岡山県の南西部に位置し、町の周囲を比較的低い山々が
とり囲み、中央を小田川が流れ自然溢れる長閑な里で有る。
町の人口は1.5万人余り、米作を中心とした農業と果物栽培、それに観光の町
でもある。



 そんな町の玄関口が、井原鉄道線の矢掛駅である。清音からは20分ほどの
距離だ。ここは列車交換が可能な1面2線の島式ホームを備えた高架駅である。



 この町の観光の拠点となる大きな黒瓦葺和風駅は、宿場町・矢掛をイメージ
したもので、井原線では珍しく有人駅だ。
駅構内には出札をする駅務室に併設してお土産販売の店もあり、ここでは観光
案内所の機能も担っている。何れも委託業務によるものらしい。



 駅舎を入るとホームに上がる階段がその西端にある。
そこを上がるとかなりの高台になっていて、周りには高層な建物は何もないの
でホームからは町を取りまく山々や、田んぼ交じりの町並みを見下ろすことが
出来る。



 ホームに僅かばかりの屋根はあるものの、風雨よけの待合が有るわけでも
無く、冬は吹きっ晒しでさぞかし寒いだろうなと思わず同情したくなるよう
な駅だ。



 駅舎を出ると広いロータリーがあり、その端に昔の時の鐘を告げる鐘撞堂
を模したような作りの時計台がある。
それを見て駅前から延びる道を南に向けて歩き、寺の建ち並ぶ通りを横切り、
更に先に進むと東西に行き交う商店街の道に出る。駅からは600mほどの距
離で、その通りが旧山陽道、この町観光の中心的な場所だ。(続)



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吉備真備公園 (井原鉄道沿線の旅)

2018-10-03 | Weblog

 あえて最寄り駅と言うなら三谷駅となろうが、ここからは東に2キロ程離れ
たところに「吉備真備公園」が有る。
「まきび公園」は旧真備町が整備したもので有るが、こちらは矢掛町が整備し
た日本の歴史公園100選に選定されている歴史公園で、遣唐留学生の吉備真備
が帰国して以来1250年になるのを記念して造られたものだ。



 旧山陽道の北に位置するこの地では、土塁に囲まれた平地が有り、そこで
は古くから奈良時代の布目瓦片が出土することから、吉備真備公の館跡と伝
承されていて町の遺跡の指定を受けている。



 公園の中心に位置するのは、高さが6メートル以上も有ろうかと言う大きな
公の銅像である。長い石敷きの参道の正面に、上下二段の基壇を作り、その
頂部に立てられている。



 その前には公の生い立ちや功績を説明した屏風仕立ての「吉備大臣入唐絵詞」
や、日時計などが配置されている。
又公は日本に最初に囲碁を伝えたと言われていて、公園内には「囲碁発祥の地」
の記念碑や、大きな石造りの碁盤が置かれている。



 背後の丘陵地には前方後円墳を模った「古代の丘」と名付けられた広場があ
り、四方を守る方位石、風俗を示す風物石、公の功績を示す歴史石などが古代
祭祀遺跡の環状列石のようなオブジェとして配置され、広々とした丘は森林浴
の出来る憩いの場として開放されている。



 広場の一角には中国の屋敷を再現した「館址亭」が休憩所として建てられている。
併設されたうどん屋さんは、園内にある公生誕産湯の井戸水を使用した手打ちうど
んが人気だと言う。(続)




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まきび公園 (井原鉄道沿線の旅)

2018-10-01 | Weblog

 「吉備真備」駅から北西におよそ1キロ、歩いても15分ほどのところに、
旧山陽道沿いの緑濃い緩やかな丘を利用して造られた「まきび公園」がある。



中国西安に吉備真備記念碑が立てられたのを記念して、昭和61年に旧真備町
がこの地に開園した中国風の公園で、特産の竹工芸品を製作販売する工房や、
お土産屋、お食事処も併設されている。



 白壁の中央を丸くくりぬいた門窓を潜ると、池が有り幅の狭い石の太鼓橋
が架けられていて、その先に庭園の中心的な施設の中華風の建物である六角
亭が建っている。
公園には流水で結んだ三つの池を廻らし、渓流風な小さな滝もある。
その周りには梅、桜、柳、ツツジや、ボタンなどたくさんの花木が植えられ
ていて、花の季節には来園者の目を楽しませていると言う。



 公園の主要な施設が「まきび記念館」(入場無料)である。
黒瓦葺きの四隅が大きく上に反り返った屋根を持ち、白壁を廻らし赤い柱が
支える構造がいかにも中国風と言った大きな建物だ。





 館内では公の生い立ちや、忠実に復元した遣唐使船の模型や、遣唐使とし
ての活躍の様子、公が日本に伝えた物などが、イラストを用いて子供向けに
易しく解説されているので、容易に学び知ることが出来る。また入り口近く
には園を見通す休憩施設も用意されている。



 園の一角には公の創建と伝わる真言宗のお寺、吉備寺も建っている。
飛鳥時代に存在し廃寺になった跡地に建てられた寺で、現在の建物は
江戸時代に建てられたと言う。
吉備氏の菩提寺となっていて、付近には「吉備公墓」もある。(続)


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