簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

国道168号の沿線(日本一路線バスの旅)

2018-07-06 | Weblog



 日本一の路線バスと言われる奈良交通が運行する「八木新宮線」は一日三
往復運行されている。この日乗車したのは11時45分発の便だ。



 始発から乗込んだ客は十数名で、その後停留所に停まる度乗客が入れ替わる。
大型ショッピングセンター前でも客の乗り降りが有り、路線バスらしい活況を
見せながら五條バスセンターに到着、ここで暫く休憩をとる。
この路線バスは終着まで6時間半も要する長丁場が待っているので、こうして
途中何カ所かで10~20分程度の休憩をとるのだが、食事がとれるほどの長い休
憩は無いので注意が必要だ。



 その後バスはJR和歌山線の五條駅前を経て、国道168号に入り吉野川を大
川橋で渡り、その先の五條病院に立ち寄るが、ここら辺りまでは比較的賑やか
な市街地の中を進み、人の乗り降りも活発で路線バスの役割を果たしている。



 更に進み標高100メートルを超える丹原辺りを過ぎると車窓の風景は一変する。
車内でも「カーブを重ねる山道を行くので」と注意を促すアナウンスが流される。
車窓左手には丹生川が蛇行し、その流れに沿うように国道は少しずつ高度を上げ
ていく。ここに来て気が付けば、車内は観光客らしい五名だけになっていた。



 それでもまだ沿線の所々には小さな集落が有り、切り開かれた畑などでは
たわわに実る柿の木なども目にすることが出来る。ここ西吉野辺りは全国で
も有数なカキの産地らしく、国道脇には何軒もの直売所が店を広げている。



 やがて紀伊半島の分水嶺・天辻峠の下を新天辻隧道(1174m)で抜けると
標高が650メートルほどの地点で、そこには「道の駅・吉野路大塔」や「天
辻峠星のくに」がある。(続)


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168バスハイク乗車券(日本一路線バスの旅)

2018-07-04 | Weblog

 大阪で東海道本線を降り、環状線に乗り換え鶴橋に向かい、そこで更に近鉄
線に乗り換えて大和八木にやって来た。ここから日本一の路線バスと言われる
奈良交通が運行する「八木新宮線」に乗るためである。



 駅前の橿原ナビプラザ内にある旅行センターで「168バスハイク乗車券」を
購入する。
これは『五條、十津川、熊野観光に便利な168バスハイク乗車券は、大和八木
駅~五條バスセンターからご乗車され、天辻以遠で降車されるお客様に便利
な乗車券(奈良交通HPより)』である。





 五條駅・五條バスセンターから新宮駅手前の権現前間の停留所で途中下車が
可能(乗り放題ではないので逆に戻るのは不可)で、料金は5250円である。
バス車内での販売は無く、奈良交通の各営業所や案内所で購入することになる。



 二日間有効の観光乗車券的な切符だけに、路線内の名所などが刷り込まれた
記念切符のような形態を想像していたが、どこにでも見られるようなごくあり
ふれた軟券で些か意外であった。
期待は見事に外されたが、この方が「路線バスの切符」を主張しているようで、
このバスには似合っているようにも思えてくる。



 バスは駅前を出ると国道24号の四条町から国道166号に入り、近鉄南大阪線
の高田市駅前を過ぎ、再び国道24号を行き近鉄御所線の忍海駅前、御所駅前を
経由、途中かもきみの湯に立ち寄り、その後五條バスセンターに向かいここで
しばしの休憩をとる。
始発から十数人が乗り込んだバスは、途中の停留所でも結構乗り降りが多く、
ここまではまさに路線バスそのものである。(続)




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日本一の路線バス(日本一路線バスの旅)

2018-07-02 | Weblog
 近鉄線の大和八木駅前(奈良県)から、JR紀勢本線の新宮駅(和歌山県)
前まで、全長166.9Kmを、高速道路を使わないで走行する路線バスがある。
この間の停留所は何と167を数え、所要時間はおよそ6時間半も要す。
これが走行距離、停留所の数、所要時間のどれをとっても日本一と言われる
奈良交通の運行する路線バス「八木新宮線」である。







 元々は1920年代頃から五條市と県南を結ぶバス路線が有り、それが徐々に
南に延伸されたものらしく、1963年になって奈良東大寺大仏前から新宮駅間
で運行が始まったのがその始まりとされている。
その後紆余曲折があり現在の路線に落ち着いたようだが、それでも既に50年
を超える歴史を有することになる。

 バスは途中日本一大きな村、広さ672平方キロメートルと言われる広大な地
のほとんどが厳しい山間地の十津川村を駆け抜ける。
この村ではこれまでに鉄道や高速道路が作られることもなく、この路線バス
だけが村民の足となり唯一の公共交通機関となっていて、バスに頼るしかない
住民たちのその歴史を刻んできた。
しかし近頃では沿線の過疎化が進みマイカーが普及し、本来の用途であった
村民利用は減り、足は遠のいてしまった。







 大和八木駅前を出ると国道24号や国道166号で賑やかな市街地を抜け、その
後は紀伊山地を貫く国道168号に出て、丹生川・天の川・十津川などの蛇行に
沿うようにひたすら南下を続ける。
沿線には世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の小辺路や、玉置神社・熊野
本宮大社・速玉大社などの寺院を始め、大塔・十津川・湯の峰・渡瀬・川湯
などの温泉地が目白押しで、それらの観光の足となると同時に、車窓も素晴
らしく全てにおいてスケールのでかい路線バスとしてその物珍しさから今俄
かに注目を集めている。(続)


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