簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

湖閣泉 吉乃屋(日本一路線バスの旅)

2018-07-23 | Weblog


 ここ十津川温泉には観光旅館と民宿を合わせると8軒ほどの宿が有る。
そんな中格別な理由が有ったわけではないが「湖閣泉 吉乃屋」を選択した。
バス停からなら歩いて五分ほどのところ、眼前にダム湖を見下ろす少し高台に
ある宿で有る。



 ここ十津川温泉ではかって「日本一長い路線バス」で来村し、村内の宿泊施設
を利用すれば、往復のバス賃をタダにするキャンペーンで観光客誘致を図ってい
た時期が有ったが、今は既に終わっている。
あの手この手の努力を続け、その甲斐あってここ最近ではバスの利用客もこの地
への訪問客も僅かながら増えているのだそうだ。



 公衆浴場「庵の湯」の前を通るとその先の道の隅に、明治22年の大水害を後
世に縛める石碑が立てられていた。
元々50mほど下の川縁に有ったものだが、ダム湖の出現でこの地に移したと書
かれている。北海道への集団移住を余儀なくされた災害だけに村民にとっては
忘れてはならないもので有るようだ。



 部屋に案内され窓から静かな湖面を眺めると、心なし水が茶色に濁っている
ように見受けられる。「いつもこんな色?」と聞くと、「先日雨が降ったので。
何時もは瑠璃色と言うか、コバルト色と言うか、綺麗ですよ」とのことだ。



 静寂で四季折々の眺望を売りにする温泉らしく窓を開けても聞こえてくるのは、
風が揺らす木々のざわめきと、小鳥たちの囀りだけである。
食事処の窓際には、そんな小鳥たちの為のえさ場が設けられている。
小鳥たちのついばみをガラス越しに眺めながら、朝食を共にする趣向だ。(続)



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