再びスカイラインを下るが、この道は足に来る。
テーピングしたとは言え、水疱が潰れた皮の始末はしていない。
滑らないようしっかり踏ん張るから足とテープが靴の中でずれるようで気持ちが悪い。
気持ちが悪いだけなら我慢も出来るが、ずれるから痛みも伴いこれがキツイ。
降り切ると国道に並行して坂本、津呂の集落を抜ける旧道がある。
広い道を歩いていると、いたるところに“昭和9年 海嘯襲来地点”の石碑を見かける。
広辞苑で“海嘯”を調べて見ると、読みは“かいしょう”とあった。
“満潮の際に遠浅の海岸、特に三角形状に開いた河口部に起こる高い波”で、津波とは
異なるようだ。
昭和9年9月21日室戸岬付近に上陸した台風は、911.6hPaの最低気圧を記録し、大阪湾を
横切り近畿地方に再上陸、猛烈な勢力を保って駆け抜けた。
各地で高潮の被害が発生し死者・行方不明者は3,036人,負傷者は1万5千人近くとなる
未曾有の被害が発生した。
所謂室戸台風だ。
この室戸岬周辺の集落にも大きな高潮が押し寄せ、甚大な被害を齎した。
石碑はこのときの高潮の襲来を今に伝えるものらしい。
そんな海難を防ぐためか、ここら辺りは随分と高い防波堤で町全体が守られている。
更に各家々のブロック塀もやたらと頑強なつくりでその上随分と高い。
いつも強風が吹荒れるところなのであろうか、山の木々は真直ぐ直立しているものは
殆ど無く面白いように曲がっている。
ここは“台風銀座”。
昔から台風と人間が熾烈な戦いを繰り広げてきた土地なのであろう。(続)
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