簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

あわもちと姫街道 (東海道歩き旅・遠江の国)

2020-11-02 | Weblog
 街道筋に「町並案内処」を掲げたお菓子屋さんがあり、「名物 あわ
もち」の幟旗に引かれ立ち寄ってみた。
見付宿では町中の商店が「いっぷく処」の幟旗を掲げ、店頭にパンフレッ
トなどを置いて、休憩や案内に対応していて、この店もその一つである。



 当地に鎮座する矢奈比賣(やなひめ)神社(見付天神)では、鎌倉時
代より続く祭礼で人身御供が行われていて、その年に取れた粟で餅を
作り共に神前に備えていたという。
その後習慣は無くなり、奉納用を土産として売り出したのが「粟餅」だ。



 粟と餅米で作った餅をこし餡で包んだ、丁度伊勢名物の「赤福」のよ
うな餅で、やや歯ごたえのあるお餅に、きめの細かいあっさり餡が絡み
殊の外美味しい名物である。
この店では、国産の粟が減少する中、通年販売に拘っているらしい。



 教えられて店の前を進み、その先の広い通りを左折し南進する。
角の道標には「遠州見付宿 これより姫街道 三州御油宿まで」と書か
れている。
ここを直進すると所謂姫街道で、ここは東海道との追分けである。



 姫街道は正式には「本坂越道」という。
追分けを真っ直ぐに進んで天竜川を越え、浜名湖の北を迂回して三州三
河の御油宿までの、およそ60キロを結ぶ街道である。
途中、本坂越えの難所が有り、気賀の関所のお取り調べも待っているが、
本街道に比べると緩かったと言われている。



 その為、本街道浜名湖の舟渡しを嫌い、新居の関所のお調べを避けた
大名家のお姫様などが行列を組んで通行したらしく、その名の起こりと
言われている。

 そんなお姫様達も、ここでしばし休まれ、「粟餅」等をお召しになっ
たのであろうか。想像するだけで楽しくなる。(続)





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