簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

八丁味噌の郷 (東海道歩き旅・三河の国)

2022-02-16 | Weblog


 いい加減、うんざりする程に曲折を重ねて来た「岡崎二十七曲がり」の、
ようやくの終点が八丁の交差点である。
岡崎城から八丁(およそ870m)離れていて、それが地名の由来だという。
そこは「八丁味噌の郷」と言われる地で、八丁味噌の老舗、「カクキュー」
と「まるや」が旧街道沿いに蔵を並べている。



 ここでは土鍋で生麺から煮込む「味噌煮込みうどん」が食べられるが、
残念ながら営業時間が終わっている。
懐かしい味を期待してきたが、今日は悉く食べ物にも見放されている。

 老舗の味噌蔵が幾つも並ぶ通りは、そんな味噌の良い香りを漂わせな
がら、旧道らしい雰囲気を醸し出している。



 八丁味噌は矢作川の伏流水により大豆と塩のみを使い、大きな木桶に
仕込み、長年使い続ける川石を重しにし、大豆の旨味を凝縮させるため、
二夏二冬以上じっくりと人の手を入れることなく熟成させる。
その分酸味と渋みが残り、苦みのある濃厚な旨味と香りが特徴だという。



 豆味噌文化の東海地方で生まれ育った身には、味噌カツ、味噌おでん、
味噌煮込みうどん、土手煮、味噌田楽など、濃厚な赤味噌料理はいつまで
経っても忘れられない味である。

 そんな地を離れ、はや半世紀になるのに、未だに味噌汁は「赤だし」に
拘り、赤みそ料理のためにも毎年当地の蔵元から取り寄せている。



 蔵元の立ち並ぶ細い路地を抜けると、国道1号線に行き当たる。
その少し手前の道路脇には、味噌仕込みの重しに使われる玉石(川石)が、
山のように積み上げられていた。

 そこを左折するとやや上り道となり、やがて矢作川に架かる橋を渡る。
矢作橋で、長さ300m程の今橋は、数えて16代目だそうだ。(続)





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