簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

神目(津山線・乗り潰しの旅)

2019-06-14 | Weblog

 福渡を出ると津山線は岡山市を抜け、県内でも数少なくなった町制を取る
久米南町に入ってくる。
最初の駅が単式のホーム1面1線を持つ無人駅・神目だ。
町内に三つある駅の内、岡山に一番近い駅で、「こうめ」と読ますがなかな
かに難読である。





 全国には難読と言われる地名や駅名は数多ある。
この駅がそうなのか、この逸話が真実なのか、その真意の程は知らないが、
嘗ては入り込むよそ者を警戒する余り、地の者と判別するために、敢えて
普通には読まず難しい読みをしていたのだそうだ。
その地名が読めない者はよそ者だと言うことで警戒心を高めるため為らしい。





 神目は花と川柳に彩られた駅である。そんな駅舎は十数段の石段の上にある。
平屋ながら、立派な入母屋風の黒い瓦葺き屋根を持ち、壁は上の半分が白漆喰
(のような)、下半分が木目調の板張りである。
同線でよく見る他の駅とは若干趣が違い、一見すると寺の堂宇か民家の母屋よう
にも見える。それは開業が昭和3年と比較的新しい駅で平成に入り改築されたか
らだと言う。
向かい側には嘗てのホームが草に埋もれて残されているが、もはや目をこらさな
いとそれとは認められない程の荒れようである。





 やや高台で集落を見下ろすように造られた駅を出ると、嘗ては商店街を思
わす平入りの建物が何軒か建ち並んではいるが、そこはシャッターを下ろし、
ガラス戸を閉ざしている。
沿線の多くの駅がそうであるように、ここも寂れた通りである。
それを抜けると桜並木が植えられた誕生川の土手に行き当たる。
クランクになった道を曲がり、橋を越えれば53号線が流れている。(続)


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