簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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岡山十勝地(津山線・乗り潰しの旅)

2019-06-03 | Weblog

 法界院を出た津山線の列車は、笠井山と妙見山を避けるようにその麓を巻き
ながら進む。
この笠井山一帯には、広大な敷地を岡山大学に明け渡した旧日本軍に代わり、
60年ほど前より陸上自衛隊三軒屋の駐屯地が展開している。
又妙見山は標高77mの小山で、山頂一帯は、「岡山十勝地の一つ三野公園」と
なっていて、旭川を望む桜の名所として知られている。







 この岡山県十勝地というのは、昭和10年地元の新聞社が事業企画「岡山県十傑
投票」を行い、大衆から県内の景勝地を投票させ、その投票結果から上位10カ所
を選び十勝とし、それに続く十五カ所を十五景として決めたものだ。
(岡山県立図書館データーベースより)

 「一ヶ月余りの投票総数は、一億二千二百二十四万三千百四十九票で、他にも
膨大な無効票が有った。全体を重ねると富士山の高さの四倍強、これを縦に長く
繫ぐと遠くニューヨークに達する。未曾有の熱狂裡に終了し、衆望を負うて十勝、
十五景、二十秀の決定を見た。(昭和10年11月15日 山陽新報)」
とその熱狂ぶりを伝えている。



 投票は後楽園と瀬戸内海は別格と位置づけ除外されていて、その他の場所から
一カ所をペン又は毛筆で記入する事を求めている。
その結果は多分に組織票も影響を与えたようで、一位は島から望む瀬戸内の景観
が評価された日生の鹿久居島で、一千万票を越えたと言う。



 第二位には備前の一宮の吉備津彦神社が入っているが、この時同社は本殿以外
を悉く焼失し再建中であったようだ。



 第三位に和気の独立丘陵である天王山が選ばれている。
石段を上がった頂上には天王神社が鎮座し、ここからは和気の町と金剛川の流れ
が一望できるが、広く一般に知られた所ではない。
現在では周囲に住宅などが建ち並び、独立峰を実感することは出来ない。
尚、この三野公園は三百六十万票余りで第十位であった。(続)


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