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MEDICINE AND ART

2010-01-10 | art
 連休を利用して、というか連休にして、1日『医学と芸術展』に当てました。

 2009年11月28日~2010年2月28日まで六本木ヒルズ森ビル53階森美術館で開催中の企画展示会です。
 美術館の企画なので、「医学」といっても専門的な科学的見地から捉えたものではなく、「医学にまつわるアート」作品を展示したものです。
「医学にまつわるアート」とはいったいなんなのか?というのは、この展示会を見れば解ると思うのですが、そもそも芸術作品を創造する上で、レオナルド・ダ・ヴィンチ以来人間の身体のメカニズムとその内部との関係(心と心臓の関係など)を解き明かすことが必要だという概念から出発しているようです。

 この企画展は、英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王所蔵)のダ・ヴィンチの頭蓋骨や脳などの習作、英国最大の医療助成団体ウエルカム財団のコレクション、現代アーティストによる医学的メッセージの込められた作品などで構成されています。

 その中でもやはり興味を引くのが、ヘンリー・ウエルカム卿が収集した奇妙なコレクションの数々です。

 ウエルカム卿は、西アメリカで医学とは全く関係のない家に生まれ、製薬会社で訪問販売員などして働いて、後に独立して同僚と製薬会社を立ち上げ、イギリスで財を成しナイトの称号を受けるまでになった人です。
彼がどんな性癖の人間であったかは、うかがい知ることはできませんが、「人類学への興味は医学より先に芽生えたが、その両方が平行線のまま続いたかあるいはいつしか合流していた」と卿は言われていたそうです。

 では、ウエルカム卿が集めたコレクションとはいかなるものなのでしょうか。
18世紀や19世紀に作られた義足や義手、手術に使う切断用ノコギリ、イタリアやドイツで出版された画付きの医学書、インドやチベットの人体解剖図、日本の「解体新書」初版本、レンブラントのエッチング・・・などなど、中には「これのどこが医学的?」と思われるものまでのべつまくなく収集されていました。
ウエルカム卿が1936年に亡くなった後も財団は収集を続けており、アンディ・ウォーホルの「心臓」というシルクスクリーンもコレクションにあります。
最新技術のプラスティネーション人体解剖標本もコレクションの1つです。

・・・と文章だけではイメージできませんので、これから自分のお気に入りの作品について書いていこうと思います。