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Expressing My Inspirations

jusaburo's dolls

2009-10-14 | prose
 10月4日から11月29日まで、人形作家・辻村寿三郎の人形展が開催されている。

 おお!辻村寿三郎。私にとっては「辻村ジュサブロー」。
 私の「人形愛」の原点となったのは、彼の人形が使われていたNHK人形劇「里見八犬伝」だった。子供ながらも、単なる「お子様向け人形劇」としてでなく、何か怖ろしいもの・不気味だが魅惑的なものをその人形たちから感じ取っていた。特に文楽人形に似た風情がなんともいえない雰囲気をかもしだしていた。

 当時と名前の表記が異なってるが、同一人物であろう「辻村寿三郎」の人形が生で見れるとは、滅多にない機会。ぜひ見たい。見に行こう、と思って会場はどこかと思ったら、「パラミタミュージアム」という変わった名前の美術館だった。しかも所在地が三重県の菰野町というところ。

 さっそく道路交通地図で調べてみると、国道1号線へ出て四日市方面へ向かい湯の山方面へちょいと入った辺りであることが判った。
国道1号線といえば旧東海道沿いであるので、桑名から西方面の東海道は行ったことないから、途中旧東海道を偲ぶ物でもあれば楽しいかな…

 もう少し南西へ下がって鈴鹿まで行けば、大黒屋光太夫記念館があるんだけど、そこまでは行ってられない。そのうち行ってみたいとも思うが。
その、光太夫と関係している人物に、桂川甫周という人がいて、彼が江戸へ連れて来られた光太夫ら伊勢漂民から聞いた事をまとめた書が光太夫らの記録として歴史的資料になっているのだが、この桂川甫周は蘭学者で1774年に出版された「解体新書(ターヘル・アナトミア)」の翻訳を手伝った人物でもある。「解体新書」は前野良沢や杉田玄白で知られているが、他にも協力者は多く、吉村昭氏の小説「冬の鷹」という前野良沢について書かれた小説の中に青年である桂川甫周も登場していた。
 思わぬところで出てきた名前。ターヘル・アナトミアの出版も天明の一つ前ではあるけれど1700年代後半のことであり、膝栗毛の時代とかぶっていたことに気づいて、多少驚いて少々感激した。

 点が線につながった。
 バラバラに脳に記憶してあった事柄が、ひとつずつ体系化されていってるのがおもしろい。これに随分役に立ってるのが年表である。

 辻村寿三郎人形展→パラミタミュージアム



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