邦画ブラボー

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「遊び」

2010年07月10日 | ★愛!の映画
噂には聞いていたけど
こんなに面白いとは思っていなかった!
増村保造監督、大映最後の作品。

電気部品工場で働く関根恵子とチンピラの大門正明

不幸に育った似たもの同士は、ふとしたことから出会い、
急速に惹かれあっていく。

原作は野坂昭如の「心中弁天島」
脚本は脚色:今子正義、伊藤昌洋。

少々大げさな大門正明の台詞回しと
関根恵子のストレートで端切れのいい口調が
ピタリと合い、まるで音楽を聴くかのようなテンポの良さ。
歌舞伎か浄瑠璃を聴いているようなリズムのいい台詞が特徴的だ。
出会ってから結ばれる、たった一日のことを描いているのにスリリング。
そして恋する二人から目が離せない。

回想形式ではさまれる劣悪な家庭環境や
これまでのエピソードは閉塞感いっぱいで
息が詰まりそうだ。

飲んだくれで男出入りが激しい大門の母親に根岸明美
巣鴨で売っているみたいなでっかい赤パンツが目に焼きつきました。
関根恵子の家庭もメタメタでどうしようもない。
二人はこれまでの情けなく惨めな環境から抜け出そうと決心するが、
状況は甘くなかった。

大門がアニキと呼ぶやくざに蟹江敬三
さすが!のガラの悪さで久々に真骨頂を見た思い。
「龍馬伝」でも異彩を放っているが、
こういう粗暴で胡散臭い役をやると最高!

今は聴かれなくなった言葉も満載だ。
「ズベ公」「フーテン」「スケ」
「スケをこます」「ゴーゴー」「温泉マーク」
ゴーゴークラブにたむろするズベ公役に「松坂慶子」が扮していて
大女優となった今では貴重な映像。

貴重といえば
関根恵子のヌー●は抜群に美しい。自然だし。
整形無しのナチュラルな目、
ナチュラルな鼻筋、ノーシリコンの程よい大きさの胸(爆)
伸びやかな肢体が素晴らしい!

不器用な恋が
切なくて愛しくてたまらない。
目頭が熱くなるラストも秀逸。

日本の恋愛映画の5本指に入る傑作だ!

1971年 増村保造監督

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