邦画ブラボー

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「出所祝い」

2015年05月09日 | ★ハードボイルドな映画

東宝が初めて手掛けたやくざ映画。

 

 

 

珍しく仲代達矢がやくざ役を演じてます。

 

設定が昭和初期ということで

 

振り回すのはドス。着流しの任侠の世界。

 

安藤昇

 

丹波哲郎

 

栗原小巻

 

田中邦衛

 

黒沢年男

 

夏八木勲

 

天本英世

 

江波杏子・・・

 

 

豪華な顔ぶれが並びます。

 

栗原小巻は清純なお嬢さん役で

 

掃き溜めに(失礼)鶴のごとし・・・

 

 

 

青森が舞台。

 

やくざ同士の抗争を描いてますが、

 

ねぶた祭りを大胆に使うわ

 

バックに鳴り響くのは高橋竹山の津軽三味線ですから、

 

それは盛り上がりますわ。

 

五社エンターテイメントは決して観客を裏切りません。

 

 

 

ゴージャスなこの映画の肝は、

 

なんといっても安藤昇のたたずまい。

 

一言セリフを言っただけでずっしり・・

 

背筋がぞぉ~~~っとする本物の迫力があります。

 

祭りの太鼓の乱れ打ちを披露する場面は

 

お宝映像でしょう。

 

のちに仲代さんがインタビューでも

 

「安藤昇さんの迫力が素晴らしい映画です」と言ってます。

 

出入りの場面は

 

高倉健さんを意識したとか・・・とバラしてました。

 

確かに

 

丁寧語で乗り込むところ、ちょっと似てます。

 

 

 

見せ場はいくつかありますが、

 

もっとも印象的だったのは

 

田中邦衛が二人組の色っぽい女殺し屋に惨殺されるシーン!

 

五社監督の「これでもか!」の

 

ねちっこいサービス精神が感じられます。

 

 

 

それにしてもただならない色っぽさだなと思って調べたら、

 

ピンク映画出身で寺山修司に気に入られて天井桟敷に移った

 

新高恵子さんだったんですね。

 

あまりセリフはありませんが、着物から大胆にのぞかせる太腿とか、素晴らしいです。

 

 

 

残酷な修羅場も五社監督の手にかかれば

 

濡れ場のような色っぽさを感じさせられるんですよね。

 

残酷絵みたいな、嗜虐美っていうんですか。

 

 

 

その極みが仲代VS夏八木

 

津軽の荒海を背にしての死闘です。

 

二人とも半裸、血まみれで戦うのですが、見ようによっては

 

究極のラブシーンのような???バックミュージックは津軽三味線です。

 

 

 

男の美学が散りばめられた、五社版血とエロスの世界へようこそ!!

 

 

 

1971年 五社英雄監督作品

 

日本映画専門チャンネルにて