邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

ドラマ「鬼女」感想

2013年07月04日 | ●面白かったTVドラマ

まだ記憶に新しい

連続不審死事件をモデルにしたドラマ。

 

容姿的にはお世辞にも◎と言えない女に

どうして何人もの男が騙されたのか???

って誰でも思い それが世間の関心の的だったわけですが・・・

脚本には何度も「ブス!」という言葉が・・・いいんでしょうか?

と思っていたらば

なんと 

「男性たちから愛されてしもうたんです」

な~んて普通では言えないようなことをバンバン言うんですわ。

 

容疑を全面否認し、法廷で堂々と胸を張る藤山直美に

苛立つ検事(田中美佐子)と、反対に興味を持つフリーライター(夏川結衣)。

田中美佐子はキャリアをかけて公判に挑むが

私生活では年下の夫とうまくいっていない様子。

公判に通いつめ、どんどんのめり込んでいく夏川と

決め手をつかめずイライラする田中。

3人の女を基点としてドラマは進む。

 

誹謗中傷ものともせず

カエルの面になんとか・・・

のれんに腕押し

盗人猛々しい

面の皮が厚い・・・メンタル最強・・・

いろんな言葉があたまを駆け巡ります。

これは田中美佐子じゃなくてもムカムカしますわ。

 

藤山の存在によって周囲が翻弄され

心理的にも影響を受けていくのが興味深かった。

 

大阪弁で通し、凄みを見せる藤山直美は

見てる方が引いてしまうほどの捨て身の演技でした。

どう見てもセンスがいいとはいえないちぐはぐで

少女趣味ないでたち・・・

 

で、

顔は怖い・・・ 

 

熊のイラストが入ったピンクのトレーナーを着た姿には

思わず失笑!その姿で田中美佐子にシラ~~っと嫌味を言うのですから

怖いというより 可笑しい。

しかしあくまでもシリアスなドラマ。

せっかくだから藤山寛美の娘、

喜劇役者としての藤山直美の可笑しさをもっと入れてほしかったというのは欲張りだろうか??

被害者に突き飛ばされて大泣きする場面も爆笑したが

果たして笑っていいのかと正直 迷いました!

 

でも藤山直美は

可笑しいというよりは

怖いひとというイメージがあった。同じく実在の事件をモデルにした映画、

阪本順治監督の

「顔」の印象かもしれませんが。

偉大な喜劇役者だったお父さんのように

ではなく、幅広い役を演じる役者を目指しているのかもしれませんね。

 

田中美佐子も夏川結衣も本来の美しさを殺した?たたずまいで

女としての生き方をそれぞれ演じており

藤山との対比が際立っていました。

被害者の家族を演じた小池栄子

昔の仲間のキムラ緑子(ど迫力関西弁)が肝が据わった演技で上手かった。

 

どんでん返しも用意されており、

女たちのドラマとしても面白かったけど

騙された男たちからの描き方はほとんどされていないので

今度ドラマ化するときは

そういう視点でもお願いしたいです。 

 

終始本心を明かさない

鬼女の正体は永遠の謎。

藤山直美のすっぴんの怖さと共に(頬の染みはメイクだそうですが)トラウマとなって残りそうです。