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邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「水戸黄門漫遊記」

2006年09月15日 | ★痛快!な映画
お馴染みの話だが、
水戸黄門に森繁久彌とくれば見ずにいられない。
アナウンサー出身の森繁は
カツゼツが素晴らしく良いので、
時代劇の台詞もまるでその時代に生きた人のように
流れるようにこなす。
天下の副将軍役であろうともすんなりきまる。
加えて素晴らしい表現力で
何でもない台詞も実に聞かせる。

もちろんギャグも!

脚本は社長シリーズ、クレージーシリーズの笠原良三だから
ノリはあくまでもあくまでも軽い。

まあ、月形龍之介の水戸黄門とは
対極にあると思ってください。

ご老公の、気ままな「何でもみてやろう、やってやろう旅」
のお供(宝田明と高島忠男)は
当初は「すけべえ、かくべえ」と名づけられたが
それはちょっと勘弁してください・と、助さん、格さんに落ち着いた。
出だしからすでに可笑しい。

二人とも
長身痩躯のイケメン(だった)ながらも
ギャグもしっかり押さえて東宝花形スターの匂いを撒き散らしている。

絶頂期のコント55号や
てんやわんやなどお笑い陣の絶妙な掛け合いに
中村勘九郎、三木のり平
池内淳子、草笛光子など脇もにぎやかに揃って
実に華やかな東宝らしい時代劇。

監督は千葉泰樹。

浦辺粂子
女郎屋のおかみが個人的にツボだった。

これは一作限りで
シリーズにはならなかった。森繁、この頃忙しすぎたのか。
森繁黄門をもうちょっと見たいような気持ちにさせるのもさすがである。

1966年千葉泰樹 監督作品

脚本 笠原良三
撮影 長谷川清
音楽 佐藤勝 美術 中古智

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川島雄三の「特急にっぽん」

2006年08月09日 | ★痛快!な映画
昭和30年代「こだま」が東京大阪間を6時間半で走った。
当時まだ新幹線は開通しておらず、
驚異の速さであったのです。

時代の最先端を行く「こだま」号内でのドタバタを描く
ロード・ムービーならぬレイル・ロードムービーだ。

川島雄三のセンスが光る楽しいコメディ。

関西弁が飛び交う「こだま」出発進行!
様々な人々がチン騒動を繰り広げるという川島監督
お得意の群像劇だが
なんたって芸達者が揃っているしテンポがいいので
ついつい引き込まれてしまう。

当時大ヒットしていた「ありがたや節」を歌いまくる謎の団体、
女(中島そのみ)にべったりはりつく小沢栄太郎、
コックのフランキー堺と、コック長森川信の芸術的な爆笑やり取り、
可愛いおネエちゃん団令子、
小鳥のようにうるさい食堂車ガールたち、
マザコン男と母親(滝田祐介・沢村貞子)、
サングラス姿の男たちなどの
ワイワイドタバタ、めまぐるしい会話を聞いて大笑いしているうちに
列車は名古屋~京都~へと進んでいく。

観客も列車の中にいるような臨場感を味わえる洒落た趣向だ。
限られた空間なのに息がつまらないのはさすが。

それにしても小沢栄太郎は助平親父がなんでこうも似合うのだろうか。
女とデレデレしながら「ちゅーちゅー・・♪」というチューインガムのCMソングを歌い、
鳴くな小鳩よ」に次ぐインパクトを与えてくれる。
捨て身というほかは無い役者魂だ!

*映画の中のイイおんな*
団令子:思いっきりお転婆で明るいお姐ちゃんしてます。
ちょっとハスキーな声が魅力的。
この人見ると、「イエイエ」とか「サイケ」とか
連想するんだな~~「モダン」って言葉も似合います。

郷ひろみの元妻「リー」のお母さん、
白川由美も出てますが背がすらりと高くてスタイル抜群。
娘さんとは違うタイプのクールな美女ですね。ツンとすまして
コンパクトを覗くの、真似してみよう~~!?

1961年川島雄三 監督作品
原作 獅子文六 脚色 笠原良三 撮影 遠藤精一 音楽 真鍋理一郎
美術 小川一男

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金語楼の「おトラさん」

2006年06月09日 | ★痛快!な映画
柳家金語楼って割烹着が似合う!

勤続20年のベテラン女中、
おトラさん(柳家金語楼)の大活躍を
テンポのいい演出で見せる。
原作は西川辰美の漫画。
一家のあるじ(有島一郎)のとぼけた演技も最高潮だ。

おトラさんが台所でお豆腐をトントン刻んでいると、
いたずら坊主が、カエルの干物や
かんしゃく玉を手にやってくる!

頭痛薬の「ノーシン」の垂れ幕が下がるのど自慢大会で、
「ジェスチャー」いっぱいでテーマソングを歌ったり、
文金高島田の花嫁姿を披露したりと
金語楼の抜群のコメディセンスと百面相芸が堪能できる。

他に柳沢真一、若水ヤエ子など。

簡素ながら美味しそうな食事だとか、
箒にはたきで清められたこざっぱりした家だとか、
当時の家はよけいなものが無いので
すっきりしているなあと妙なところにも感心した。

青島幸男の意地悪婆さんといい、おトラさんといい
男性がお婆さんをやると妙に面白いのはなぜか。

金語楼は「有崎勉」のペンネームで、
新井一と共同で脚本を書いている。
シリーズ化されて、6作も作られていたなんて
知らなかった!

1957年・監督:小田基義

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「酔いどれ博士」

2006年06月04日 | ★痛快!な映画
荒くれ男が集まるドヤ街が舞台。

酔い覚ましにバケツの水をかぶった勝新が、
「手術するからドス一本持ってこい!」
ピストルの弾が腹にくいこんで、
のたうちまわる怪我人に
消毒のための酒をぶちまける。

メスの代わりに「ドス」「デバ包丁」で手術です・・
度胸もあって喧嘩もめっぽう強い「先生」(勝新太郎)は
次第に荒くれ男たちのヒーローになっていく。

三隅研次の演出がスピーディで小気味良い。
面白い台詞がぽんぽん飛び交うと思ったら脚本は新藤兼人。

「お前たちはまったく馬鹿が鉢巻つけたようなやつらだな」
東野英治郎のおまわりさんがいい味でからんでいる。

こんな豪快な役はやっぱり勝新でなければ!と思わせるはまり具合だが、
ちょうど「座頭市」も平行して撮っていた頃の作品で、
油、乗っています。

荒っぽいけど、人情味あふれる「大人のメルヘン」だった。

1966年 監督 : 三隅研次 脚本 : 新藤兼人 撮影 : 森田富士郎 
音楽 : 小杉太一郎 美術 : 内藤昭 

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「喜劇駅前飯店」

2006年05月21日 | ★痛快!な映画
フランキー堺、森繁久弥、伴淳三郎、三木のり平、
そして山茶花究が、横浜中華街を舞台に繰り広げるドタバタコメディ。

女性陣は淡島千景、淡路恵子、乙羽信子。
喜劇が上手い森光子も出ている。

特別ゲストとして王貞治さんが
台詞は棒読みだけど華を添えている。

突然剣劇は入るわ、脈絡も無く森繁が香港に旅立つわで
はっきり言ってストーリーは破綻一歩手前だ。
だけど
めちゃめちゃ面白いのは芸達者揃いによる
中国語訛りの日本語合戦!
フランキーVS森繁、森繁VS山茶花 のり平VS伴淳と、
ライバル同士の舌戦が相乗効果を生み、
スリル満点の中で思いがけない妙技が編み出される。

おなじみメンバーだから間合いもぴたりと合う。

「アナタここにいる。ワタシてかける。
アナタ残るのことよ。ワタシ気分悪いのこと。」

「このふ、ふ、不良~!このチンピラゴボ~~!!」

全編この調子が続くので、
今では地上波放送不可能な内容。
げらげら笑って
観終わる頃には彼らのアクセントがうつってしまうでしょう。

60年代は社長シリーズと駅前シリーズが
交錯するという、大変賑やかな時代だった。

1962年
監督 .  久松静児
脚本 長瀬喜伴 撮影 黒田徳三  音楽 広瀬健次郎
美術 .小野友滋

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