先週の休日は、生憎のお天気でやろうとしていたSLいじりが出来ずじまいでした。
そろそろ梅雨の季節を迎えるのかな~・・・って、僕のような過酷な保管条件で所有を余儀なくしている旧車のオーナーには
車やバイクの様な鉄物にとっては悪条件のいや~な季節です。(>_<)
ちょっと、錆びのお話しをしましょう。
・・・・『錆と友達になる』って、聞こえが悪いんですが 要は、錆のことを知りましょう って事ですね。(^_^)v
僕のSLにもチャイルドシートの所とか、トランクルームの中なんかに
醜い錆が発生しています。
錆って、元々何も無かった所に オドロオドロシイ茶色の物体が
何時の間にか発生していて、誰が見ても あちゃ~!
ってショックを受けますよね。
でも、よくよく考えると錆びの状態って、実は 鉄の安住した姿
なのです。。。。
人類が生まれる遙か何億年も前から 鉄の元は、鉄鉱石という状態で
地球に存在していました。
いわゆる酸化鉄、の状態です。
鉄は、元々の姿である 酸化鉄という安定した状態で何億年も
存在し続けていたのです。
ところが、後から生まれてきた我々人類が、自分たちの都合の良い素材として酸化鉄に加工を加え鉄を取り出したのです。
こうして酸化鉄は、人類の手によってとても不安定な『鉄』の姿に変えられてしまった。
・・・と、言うわけです。
それ以来、鉄達は 本来有るべき姿に戻ろうとして 錆びに変化するのですね。
つまり、自然の摂理ってやつなんだよね~。。。(^^;)
しかしながら我々人類は、鉄という有用な素材を手に入れて、文明を築き上げて来たのですから今更後には戻れません。
と、言うことで 不安定な鉄さん と上手にお付き合いしましょう~
・・・と成る訳です。
それには、錆の発生メカニズムを知ることが非常に大事なことになります。
フツーは、鉄は酸化して錆びになるって言うような認識だけじゃないかな。
僕は機械系の設計上がりの技術屋なんですが、仕事柄 錆びとかには何時も苦労させられています。
鉄の分子は鉄元素Feと電子(e)で構成されています。
雨水などにさらされると、鉄表面に水分が吸着されます。
鉄表面の水分は、空気中にさらされているため、酸素は水に解ける
という性質があるため 空気中にある酸素が水分に吸収されます。
この時水分と酸素は化学反応を起こすため、
必要な電子を鉄内から取り込み、水分内には、OH-の陰イオンが
生成されます。
鉄Feは電子がとられ、Fe2+の陽イオンに変化し、
水分中に溶け込みます。
OH-とFe2+が結合して鉄表面に錆の基である
水酸化鉄Fe(OH)2が生じます。
この状態は、電荷の異なる物質が接触した時に電子が移動する現象で、
異種の金属同士が接触したときに発生する電池の現象と同じ理屈です。
鉄に水が吸着し発生する化学変化で生成される 水酸化鉄 これが
赤錆びの基になり
これが錆の発生メカニズムです。
ここで分かることは、電子の移動を阻止すれば錆びは発生しないってことですね。
また、条件は 水・酸素を同時に触れさせないことであるのが理解出来ると思います。
ちなみにステンレスは、鉄にクロムを含有させ表面に水酸化クロムという被膜(不動態化被膜)を人為的に形成させることで
鉄からの電子の移動を阻止し、水酸化鉄の生成(錆びの発生)を防いでいます。
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