思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『暗号解読』 個人的インパクトファクター高い本!

2022-09-21 11:49:25 | 日記
『暗号解読』
サイモン・シン
青木薫:訳

フェルマーの最終定理』でおなじみサイモン・シンの第二作。

暗号の歴史と仕組みを、カエサル暗号から量子コンピュータまで、
めちゃくちゃ分かりやすくて読みやすい文章で綴ってくれている
奇跡のような一冊です。
ありがてえ…っ!!

暗号は大きくふたつに分けると、
ステガノグラフィー(隠された文書)と
クリプトグラフィー(スクランブルされた文書)になります。

前者は、レモン汁で書いた手紙を火であぶると文字が出る、みたいな。
小学生の頃にやったやつだ!
おもしろかったのは、ステガノグラフィーの事例のひとつで
古代ギリシャの暗号だったかな、、、
使者の頭を坊主にして刺青でメッセージを入れる
→髪が生えるのを待つ→出発!→到着後、再び坊主にして読んでもらう
という。
情報通信速度、低いなあ〜笑

クリプトグラフィーのひとつである換字式暗号には
アルファベットの頻度分析という解読方法があります。
「ホームズがやってたやつ〜!」と、
中学時代の読書を思い出して楽しかったです。
(短編『踊る人形』ですね。
 19世紀に流行った暗号文学は他に『地底旅行』『黄金虫』がある)

頻度分析のとっかかりとしては、
例えば英語で頻出するアルファベットは「e」「t」「a」、
さらに「e」の手前には「h」が頻出する、という推理が有効
(the、they、then等)。
こういったテクニックと推測の積み重ねで解読する。
おもしろーい。

ヴィジュネル方陣とかエニグマ暗号とか、
出てくる単語もかっこいいし、
作者の説明がうまいものだから
ちょっと解読しちゃう?的な気分になります。
暗号、解きたーい。

と思ったら、巻末にエグい暗号問題が10問出題されてました。
これは絶対無理…と悟りの境地に。
訳者は本文を訳した上に、暗号問題の解説までやっていて、
すごいな!と感心してしまった。

(訳者の青木薫さんは京大で理論物理学の博士号を取得。
 という経歴だけ見ていて、勝手に男性かと思ってましたが
 女性翻訳家です。
 かっけー!)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ハプスブルク家の女たち』... | トップ | 『ケイレブ』 ハーバード大... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事