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『泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部』孔明おもしろすぎ!

2018-08-17 21:12:56 | 日記
酒見賢一による孔明論『泣き虫弱虫諸葛孔明』です。
文春文庫から全四部で刊行されていますが、
それの第壱部をようやく読みました。

とりあえず、先に言うと、おもしろいです!
孔明、変人すぎ!!
でも、周りもみんな変人!

なるほど、三國志ってこういう話しだったのかあ……
と、しみじみ勘違いできると思います。
私はそう思いました。

基本的には、小説とエッセーのいいとこ取りな感じの
酒見賢一ならではと言った軽妙で人を食ったような文章で
孔明の人生をあれこれ解釈したり、仮定したり、ちゃかしたりしながら
ぐいぐい描いていくお話しです。

作者は、「三國志を読んだのは作家になって後のことだった」とか言ってますが
もうね、眉をびしょびしょにしてほしいくらいの眉唾です。
(第壱部の解説でも冒頭で触れられてますが)

読み始めた時期はさておき、作者、相当に資料を読み込んでます。
どうやら英語版三國志までけなげに読んでいるっぽい。
その上で、豪快に、解釈しつつ、ふざけてます。

司馬遼太郎のように「余談だが」と謙遜することもなく
ぐいぐいと地の文に「大丈夫か孔明よ」とか突っ込みまくる作者ですが、
なんだかんだで「資料はこんな感じですよ〜」「こういう解釈もありますよ〜」って感じで
「あんた相当読んでるだろ!!!」とこちらが突っ込みたくなるくらい
足腰がちゃんとした内容です。


ちなみに私はいわゆる『三國志』は読んでませんし、
横山光輝の漫画も、ゲームも、未経験なのです。
基礎知識がほぼ無い。
兄が持っていた『蒼天航路』を2巻くらいまで読んで、
辟易したのが唯一の三國志体験かもしれません。

そんな私でも三國志および孔明の基礎から応用まで
楽しく吸収できました。
ありがたい&おもしろいよ!
これを読んでおくと三國志マニアともそこそこ会話できるよ!
(むしろディープなファンはこういうのに対して怒るんですかね。
 アマゾンレビューで怒っている人がいたけど)

とにかく高評価な私ですが、
唯一、熱く文句をつけたいのは、
「ルビが少なすぎ!!!!」です。

三國志の基本情報が頭に入ってないので、
人名と地名は、もう少しケアしてほしい……。

この一点に於いても、作者(&編集者)は、
相当な三國志マニアだと思います。
ふつーは荀彧(じゅんいく)とか糜竺(びじく)とか
荊州(けいしゅう)とか沔水(べんすい)とか読めないから!
何回出ても読めないし覚えられないからな!!!ルビふれよ!!!
(しかし、普通にキーボード入力で変換できるのね……。
 でもね!絶対に!一般教養の範囲内じゃない!!)

なにはともあれ、おもしろいです。
孔明のみならず劉備も、もちろん関羽も張飛も、全員変人なんで、
もしかしてファンの人よりも初心者向けなのかもしれません。

少なくとも私は、三國志には変人しかいなくておもしろい!と思えて
幸せです!

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