思惟石

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アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』合わなかった

2018-06-11 13:59:52 | 日記
アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』です。
「一度は読むべきSF10選」みたいなやつで
必ずと言っていいほどタイトルが上がっている作品ですが、
個人の感想ですが、表題の通りでした。申し訳ない。

舞台は24世紀。
人類は宇宙の各地に進出しており、
外惑星同盟と、内惑星連合が、戦争状態にあります。
もうひとつキーになるのが、人類に備わっている
「ジョウント」というテレポーテーション能力。

そんな背景の元、主人公のガリー・フォイルが
宇宙に漂流して、通りすがりの宇宙船に見殺しにされつつ、
なんとか生き残って、
無学の一技術者から、資本やら装備やら肩書やら学門やら
フルスペックにして復讐劇を展開するよ。

という話しです。
モチーフは『モンテ・クリスト伯』だそうです。

って聞くと、おもしろそうだなと思ったのですが。

実際に読んでみると、なんかいろいろ、ピンと来ない。

主人公の「復讐したい」想いとかいまいちピンと来ないし、
その手法も、行き当たりばったり感も、ピンと来ない。
いきなり「恋しちゃった」ってのもピンと来ないし、
「良心が」とか「虎が」とかもピンと来ない。
総じてピンと来ない。

「疾走感」というワードで評されることが多い気がしますが、
その分、惑星間戦争や社会文化や地球における政治
(あの3人がすべての決定権持ってるっぽいの、おかしくないか)
の背景設定がぼんやりしてる気がしますし、
ちょっと残念……。

ちなみに『虎よ、虎よ!』を読みながら、
ずーっと、マルドゥックっぽいなあ合わないなあと思ってました。
『マルドゥック・スクランブル』も性に合わなくて、
途中で放り出してしまったのです。
私、「疾走感」というやつが苦手なんですかね……。

(『光圀伝』も『天地明察』も大好きですが)

クライマックスに出てくるような
タイポギミックも苦手なんですよね……。
頭が固いもので。
『ロールシャッハの鮫』(スティーヴン・ホール)を
思い出しましたが、こちらは作家が元タイポアーティスト
ってことで、そんなに引っかからずに読みました。
というバイアスのかかりぐあいからして、
我ながら、頭が固いと思います。


ところで私、SFが好きだという意識はまるでないし
どう転んでもSFファンではないのですが。
(多分、「古典」「名作」というキーワードが好きなんだと思う)

「読んでおくべき」「傑作選」「名作ベスト10」みたいなやつで
よく見るタイトルは、そこそこ読んだかなと思うので、
SFファンじゃない身から見た感想でもまとめようかなと。
コメント
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