思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『〆切本』作家って大変ですね……

2018-06-27 15:15:03 | 日記
90人もの作家による
〆切についてのアンソロジーです。

まあ、〆切や納期のない仕事なんて存在しませんし、
終わりのない仕事ほど恐ろしいものは無いですが。

夏目漱石、江戸川乱歩、谷崎潤一郎、星新一、村上春樹……
様々な作家の、それぞれの〆切話し。
面白くないわけがありません。

お約束通りの「書けぬ」「明日こそ書く」的な苦悶から
風邪ひいただの〆切延ばせだのカレー食べちゃっただの
言い訳なのか謝罪なのか居直りなのかって感じの
独特且つ味わい深いお話しがてんこ盛りです。

読後感としては、
「編集者ってすごいな……!」
ですね。
作家ではなく。

ちなみに
作家名のラインナップで勘の良い人は気づくかもしれませんが、
村上春樹や吉村昭のような「〆切を破ったことがない」作家さんのお話しも
きちんと収録されています。
って、レアケースみたいな扱いですが
仕事として当然のはずなんですが……。
散々「拝啓、〆切に間に合いません」とかの作家の言い訳を読みまくった後、
彼らの、なんとなくマイノリティ側にいますけどねって感じのエッセーは
とても味わい深く、逆説的な感じがして面白いです。

もうね、この本は企画も素晴らしいですが、
編集も素晴らしいのです。
(つくってて楽しかっただろうな〜)
最初は好きな作家のものだけをつまみ食いで読んだのですが、
改めて構成順に読んだら、そちらの方が断然楽しめました。
やっぱり編集の力ってすごい。

余談ですが、私は、
ドラえもんの「もしもボックス」があったら、
大作家の仕事場の隣の部屋で正座しながら凄い圧をかける
編集さんをやってみたいです。
「先生!寝てませんよねっ!」
「先生!何枚書けましたかっ?!」
「先生!あ!!逃げた!!!!」
って一晩中騒いでる感じのやつ。
イメージが相当に古いけど。
コメント
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