思惟石

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北森 鴻『凶笑面 -蓮丈那智フィールドファイル1-』

2018-06-29 15:25:23 | 日記
民俗学ミステリと言われているシリーズの第一作です。

「それってジャンルとしてあるの?」
という気がしないでもないですが、
多分、このシリーズのためのジャンル名なのでしょう。

“異端の民俗学者”蓮丈那智と、研究室助手の内藤くんが
フィールドワークに行くと、
もれなく殺人事件に巻き込まれる、
という構成の短編シリーズです。

こちらに収録されているのは、
『鬼封会(きふうえ)』
『凶笑面(きょうしょうめん)』
『不帰屋(かえらずのや)』
『双死神(そうししん)』
『邪宗仏(じゃしゅうぶつ)』
の、全5編です。

どれも面白かったですが、表題作と『不帰屋』が良かったかな。

方々で言われていますが、民俗学の知識がおもしろいですね。
そこの考察や解釈などに、現代の「殺人」事件へのブリッジが
しっかりあって、構成が凄い。
作者が「量産できない」と言うのも頷けます。

北森鴻作品はこれが初めてなのですが、
別作品とのリンクもあるらしいですね。
他シリーズも読んでみよう。

まだ一冊しか読んでいないけど、故人であることが惜しいです。
コメント
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