鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

歌川広重の歩いた甲斐道 その2

2009-11-19 06:55:42 | Weblog
広重の甲州への旅行は数回にわたっているというが、その数回の旅行の詳細についてはまだ私にはよくわからない。参考文献が挙げられているので、それを読めばわかるかも知れません。『日々の記』と『心おほへ』から、天保12年(1841年)に2回、甲府を訪れていることは確実。同年4月と11月です。『日々の記』は4月2日の江戸出立から始まり、23日に甲府で辻屋仁助から依頼された小鐘馗の絵を描いたところで終わっています。御嶽道や身延道を歩いたのは、この第1回目の甲府旅行の23日以後における可能性が高い。『心おほへ』の日記は、11月13日の甲府出立から始まり、22日に府中明神前の松本屋に泊まったところで終わっています。1回目の甲府行きの往路は甲州街道を歩き、また復路も甲州街道を利用した可能性が高い(身延道を歩いてまた甲府へ戻っているので)。第2回目の甲府行きの復路は、甲州街道を利用しています。往路はというと、スケッチの検討からやはり甲州街道を利用しているように思われます。つまり2回とも、往路も復路も甲州街道を利用しているらしいということになるのです。 . . . 本文を読む