天保12年(1841年)の11月(霜月)、広重はまたまた甲府に滞在しています。おそらく10月の後半か11月の初旬、江戸から甲州街道で甲府にやってきたと思われます。目的は甲府道祖神祭の幕絵を完成させるため。広重は、甲府城下緑町一丁目の「幕御世話人衆中」より11枚の幕絵制作を依頼されていました。翌年1月の上元に行われる甲府道祖神祭礼において通り両側に飾る幕絵です。『旅中 心おほへ』の11月の日記によれば、13日から幕絵の制作を続け、19日には筆を納めて別れの宴会を開いています。そして翌20日早朝に甲府城下を出立して、甲州街道を江戸へと帰途につきました。 . . . 本文を読む