素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

気の毒な先生たち~毎日新聞 記者ノート~を読む

2009年09月05日 | 日記
 毎日新聞には、記者個人の意見、見解を述べるコーナーが2つある。『記者の目』と『記者ノート』である。現場の取材から得たことがベースになっているのでリアル感もあり、おもしろい。
 
 今日(2009.9.5)の朝刊11面の教育欄は、不登校のことがとりあげられている。その左隅の小さなコーナーに『記者ノート』がある。井上 俊樹記者の書いた「気の毒な先生」というコラムだ。的を射た話なので紹介したい。抜粋すると味が変わるので、全文をそのまま載せます。

大学の大教室。うつらうつらする人、携帯メールを返信する人、こっそり新聞を読んでいる人・・・・・。大学生の話ではない。学校の先生たちを対象に、今年度から始まった教員免許更新講習の一こまだ。サッカー部の監督かコーチなのだろうか、取材で訪れた私の隣の先生は、ノートにびっしり戦術を描いていた。
  もっとも、居眠りしたくなる気持ちも分からぬではない。大学教授による教育の最新事情を解説した講義は確かに勉強にはなるが、小中学生相手の授業に役立つとはとても思えない。講習終了後の試験だって落ちることはまずないのだ。
  不適格教員を排するために導入が決まったはずなのに、さまざまな抵抗で骨抜きにされた結果、椅子に座って30時間我慢すれば向こう10年間の教員免許が約束される中途半端な制度になってしまった。
  最大の被害者は自腹で3万円払って参加する先生たちだ。大半の先生は熱心に講義を聴き、万が一にも落ちまいかと、試験も緊張しながら受けていた。だから、なおさら気の毒になる。

 今、現場では新型インフルエンザの流行の拡大に神経を尖らせている。学期のスタートでもあるし、大きな行事を控えている所が多いので当然である。3月までお世話になった中学校でも学年閉鎖があったと聞いた。学校全体の態勢をつくることに加えて、一人ひとりの生徒へのケアにも心をくだかなければならない。最後の公式大会の出場を断念しなければならない生徒がいれば、そのつらさに共感しつつ、次へのステップへの支えになるには時間が必要である。だからこそ、無駄なことで教師のゆとりを奪うことはやめないといけない。
  
  今年のこの異常事態こそ、「ねばならない」と思い込んできたことを見直す機会である。
 
 

 


 
コメント (1)
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