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しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

タイム誌ベスト100 英語小説1923-2005年

2014-03-10 | 本リスト
スローターハウス5」と「ユービック」の記事で、「タイム誌英語小説ベスト100」のことにちょっと触れましたがまとめてみました。

1923年からというのはタイム誌の創刊に合わせたのと、ジョイスの「ユリシーズ」以降の重要な英語文学作品という趣旨のようです。

「英語」≒「英米」がどれだけ文学を代表しているのか?という意見もでそうですが...まぁ参考まで。
なおこのリスト、100作品挙げていますがそれぞれの順位はつけていません。

ブックオフでの買い物時参考用に出版社と出版状況つけてみました。

例によって既読を水色(昔に読んで記憶が怪しいものは濃い水色)、所有しているものを黄色で着色しております。

作家名のところ、複数(2作)リストに入っている人をピンクに着色しました。
フィリップ・ロス、トマス・ピンチョン、ソール・ベロー、ジョージ・オーウェル、グレアム・グリーン、ウラジーミル・ナボコフ、ウィリアム・フォークナー、ヴァージニア・ウルフ、イヴリン・ウォーの9人。
偉大な作家なんでしょうが...オーウェル以外は未読。
「ロリータ」で有名なナヴコフ、ノーベル賞作家のフォークナー以外は名前も聞いたことがなかつた…、教養ないですね。

ピンチョンは「重力の虹」が'12ローカス誌長編SFオールタイムベスト86位に入っていてまんざらSFと縁がないわけでもなさそうですが…。
難解な作風らしいですね。

翻訳小説を読む習慣はまったくなかったのでこのリスト内の作品はあまり読んでいません。

昨年読んだ「1984年」「ニューロマンサー」「スローターハウス5」「ユービック」以外では「蠅の王」と「キャッチャーインザライ(ライ麦畑でつかまえて)」「グレートギャッツビー」しか読んでいない....。

SFでは昨年読んだ上記の作品のほか、「スノウクラッシュ」「時計じかけのオレンジ」が入っていますね。
それとSFかどうかは「?」ですがピンチョンの「重力の虹」。

なんとなくでリストの作品中の何作かは昨年ブックオフで衝動買いしましたがいつ読むことやら…。
「今」.....ではない(笑)

まっそのうちおいおいと。

英語がどうしたぁ!という方も、どんな本でも読むという方も!
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SFはこれを読め! 谷岡一郎著 ちくまプリマー新書

2013-11-29 | 本リスト
小説にちょっと「疲れた感」もあり本書を読みました。

去年末くらいに「SFを読もう」と思い始めた時、ネットでいろいろ検索していたら本書も引っかかってきたので存在は知っていました。
ただ「買うまでにはいたらないなー」と思っていたら地元の図書館で見つけたので借りました。

谷岡先生とそれほどSFを読んでいないひろ子さん、SFマニアの辰郎君三人でのテーマ別に「SF談義」という形式で進みます。
2008年4月発刊。

内容紹介(裏表紙記載)
SFは、科学を通じた現代社会への賛歌である。
テーマ別のオススメ本を通じて、
社会とは何か、生命とはなにか、人はどう生きるべきかなどについて考えてみよう。

ちょっと片寄りはあると思いますが「SFを読みたくなる」本だと思います。

私的には「月は無慈悲な夜の帝王」の評価があまりに高いので??、なのと、「キリンヤガ」「戦士志願」梶尾真治の作品が読みたくなりました。

あと「日本の短編」を挙げるところで無理やり星新一の「ボッコちゃん」から出しているところは「どうかなぁ」...と感じました。
挙げられている「おーいでてこい」は「ようこそ地球さん」収載なのに間違えているし...。
リスペクト(いやな言葉ですがこの場合ピッタリくる気がする)するならもっとちゃんと読んで欲しい...。
「星新一」、「ボッコちゃん」だけ読んでわかったようになる作家ではないと思います。

以下にこれからの読書の参考に章立てと、挙げられていた作品記載しました。

第1章
異文化コンタクト/エイリアン-宇宙人は人間と似ているか

アーサー・C・クラーク「(地球)幼年期の終わり」
梶尾真治「地球はプレインヨーグルト」
further readings
アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」
ロバート・A・ハインライン「異星の客」
スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」
マイク・レズニック「第二の接触」
フレデリック・ポール「ゲイト・ウェイ」

第2章
ロボット-人間とは死ぬことと見つけたり

アイザック・アシモフ「われはロボット」
アイザック・アシモフ「バイセンテニアル・マン」(「聖者の行進」より)
further readings
アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」、「ロボットと帝国」
手塚治虫「火の鳥-復活・羽衣編」

第3章
タイムトラベル-日本が誇る時間物の最高傑作

広瀬正「マイナス・ゼロ」
梶尾真治「美亜へ贈る真珠」(「美亜へ贈る真珠」より)
further readings
ロバート・A・ハインライン「夏への扉」
ポールアンダーソン「百万年の船(1・2・3)」
小松左京「果てしなき流れの果てに」

第4章
文明/社会風刺-ユートピアとはどんな世界か

マイク・レズニック「キリンヤガ」
カレル・チャペック「山椒魚戦争」
further readings
グレッグ・イーガン「しあわせの理由」
山本弘「アイの物語」
レイ・ブラッドベリ「華氏451度」
ジョージ・オーウェル「1984年」
ロバート・J・ソウヤー「さよならダイノサウルス」

第5章
医学/脳科学-愛さえあれば××の差なんて

ダニエル・キイス「アウジャーノンに花束を」
テッド・チャン「理解」(「あなたの人生の物語」より)
further readings
アイザック・アシモフ「ミクロの決死圏」
グレッグ・ベア「ブラッド・ミュージック」
ロバート・J・ソウヤー「ターミナル・エクスペリメント」

第6章
愛と犠牲-リーダーのジレンマ

ジェイムス・ティプトリー・Jr.「たったひとつの冴えたやり方」
トム・ゴドウィン「冷たい方程式」(「冷たい方程式」より)
further readings
ロイス・マクスター・ビジョルド「戦士志願」
萩尾望都「11人いる!」
ジュール・ベルヌ「十五少年漂流記」
ウィリアム・ゴールディング「蠅の王」

第7章
戦闘/活劇-リーダーの成長と決断

オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」
ロイス・マクスター・ビジョルド「無限の境界」(「無限の境界」より)
further readings
アレクセイ・パンシン「成長の儀式」
ジョー・ホールドマン「終わりなき戦い」
田中芳樹「銀河英雄伝説」

第8章
人工知能-パソコンが自我を持つ日

ロバート・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」
フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
further readings
グレッグ・イーガン「ディアスポラ」
オースン・スコット・カード「ゼノサイド」

第9章
タイム・スリップとパラレルワールド

半村良「戦国自衛隊」
フレドリック・ブラウン「発狂した宇宙」
further readings
広瀬正「エロス」
西澤保彦「七回死んだ男」
キース・ロバーツ「パヴァーヌ」
クリストファー・プリースト「双生児」

第10章
テクノロジーの進歩/ハードSF-ブラックホールと中性子星

ロバート・L・フォワード「竜の卵」
ラリィ・ニーヴン「リングワールド」
further readings
ロバート・L・フォワード「スターフェイク」
ラリィ・ニーヴン「中性子星」
アーサー・C・クラーク「楽園の泉」
ポール・アンダーソン「タウ・ゼロ」
スティーヴン・バクスター「天の筏」
小松左京「さよならジュピター」
石原藤夫「「宇宙船オロモルフ号の冒険」

第11章
センス・オブ・ワンダー-究極のホラ話

J・P・ホーガン「星を継ぐもの」
ダン・シモンズ「ハイペリオン」
further readings
アイザック・アシモフ「ファウンデーション(シリーズ)」(
フランク・ハーバート「デューン(シリーズ)」
ジュール・ベルヌ「地底探検」
ジョージ・R・R・マーティン「タフの方舟(1・2)

座談会1-短編の楽しみ
○ベスト短編リスト
*水色既読、青色遠い昔既読。


日本の短編-奇妙な味付けリスト-
草上仁「ゆっくりと南へ
中井紀夫「山の上の交響楽」
星新一「生活維持省」「キツツキ計画」「お~いでてこい」「月の光」(「ボッコちゃん」より)
かんべむさし「決戦日本シリーズ」「ポトラッチ戦史」
筒井康隆「ヨッパ谷の降下」
梶尾真治「玲子の箱宇宙」

座談会2-オール・タイム・ベストSF
○オールタイムベストリスト
*水色既読、青色遠い昔既読。


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海外ミステリーベスト100(週刊文春)

2013-11-11 | 本リスト
先日、「日本ミステリーベスト100(週刊文春)」のことを書きましたが、週間文春のベストは「東西ミステリーベスト」ですから今回「西」の方も眺めてみました。

早速リスト
出典は日本と同様に週刊文春13年1月増刊号です.
wikipediaから)

こちらも既読を青色に塗ってみました。
SF同様、小中学生の頃「名作」といわれている作品をちらちらと読んでいたのが効いたか、既読25作品。
日本より多い…。

恒例により(?)作家別に作品数数えてみました。(3作品以上)
・エラリー・クィーン 6作品
・アガサ・クリスティ 5作品
・アントニー・バークリー 4作品
・ジェイムズ・エルロイ 3作品
・コナン・ドイル 3作品
・ジョン・ディクスン・カー 3作品

クィーン強し!
他クリスティ、カー、ドイルとスタンダードな作家がそろっています。
バークリー、エルロイ両氏は不勉強で知らないですが、作品の発行年から見るとエルロイ氏は比較的最近の作家、バークリー氏は戦前の作家のようですね。

これに関連して、90年英国推理作家協会、95年米国探偵作家協会選出のベストも見たのですが(これもwikipediaの「史上最高の推理小説100冊で見ました)、クィーン作品はランク入りしていない。

クリスティは英米のベストでも何作かランクインしているんですが…。
代わりに強いのはドロシー・L・セイヤーズ(英国4作、米国5作-知らない…)チャンドラー(英国4作、米国4作)、ハメット(英国3作、米国4作)など。

セイヤーズという人は不勉強にして知りませんが(きっとミステリー好きの人から見たらすごい常識のない奴なんだろう...)チャンドラー・ハメットのハードボイルドの両巨匠は強いですね。
チャンドラーなど「推理小説」を「謎解き」として見るとどうかとも思いますが、英米では「謎解き」よりも「小説」的な部分が評価される傾向があるのでしょうか?

さて、週刊文春版のランクに戻ります。

私が海外ミステリーを読んでいた小中学生くらいのときは、「Yの悲劇」「アクロイド殺し」が不動の1、2位でその後ヴァン=ダインだと「グリーン家殺人事件」クロフツの「樽」、カーの「皇帝の嗅たばこ入れ」ルルーの「黄色い部屋の謎」フィルヴォッツの「赤毛のレドメイン家」あたりが上位だったような気がしていたのですが微妙に変わっていますね。
「樽」と「赤毛のレドメイン家」は持ってはいましたが当時の私では読みとおせなかった...。
前回(85年)のランクでも「Y」、「アクロイド」以外はこの辺上位にいないので私が参考にしたリストが古かったんだろうなぁと思います。
多分当時図書館で借りた「ミステリ入門」的な本でみたので70年代の情報なんだろうなぁ。
今はネットでオンタイムで流れが見られて便利ですね。

「Y」と「アクロイド」はいまだに上位ですが、今どきヴァン=ダインとかカーを新たに読む人は少ないだろうなぁ....。
ルル-は「オペラ座の怪人」で入りそう)

「鷲は舞い降りた」「深夜プラス1」「ジャッカルの日」あたりは中学生くらいに冒険小説ベストを追っかけていた時期に読んでいました。
「高い砦」はディックの「高い城の男」と間違えて買って読んだ記憶があります...。
(懐かしい)

SFではホーガンの「星を継ぐもの」アシモフの「鋼鉄都市」がランクイン。
「鋼鉄都市」はわかりますが、「星を継ぐもの」はミステリーか???、謎解き型SFの名作だとは思いますが...。
そういえば「星を継ぐもの」もクィーン同様日本では人気が高いですが、ローカス誌のベストなどを見ると全然評価されていない。
(12年版で393位まで見ても出てこない)
クィーンといい日米で結構好みが異なるんですね。

なお英米のランキングでは「SF」はランクインしていない。
米国では両者の垣根は結構高いのでしょうか?

ただ米国版ではドストエフスキーの「罪と罰」などもしれっとランクインしている。
ミステリーの解釈もいろいろですね。
あっでも文春版ではカズオ・イシグロの「私を離さないで」をランクインさせている。
これはミステリーだったのか...。

いろいろ眺めていると面白いですね。

今は海外ミステリーまでは手が回りませんが、どこかで評価が高くて知らなかった作家の作品は読んでみたいものです。

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日本ミステリーベスト100(週刊文春版)のことなど

2013-10-22 | 本リスト
どうも私は誰かが「まとめて」順位をつけたものを眺めるのが好きなようです。
ということで標題も眺めてみたのでご紹介まで。

「ミステリー」はその性質上「謎解き」をメインテーマとする点でSFや一般小説より様式を縛られたジャンルだと思っています。
その分はまると様式美的な美しさにあふれたすばらしい作品になりますが「謎解き」ありきで小説としては「ぐちぐちゃ」もしくは「小説」としては出来が良くても「謎解き」がぐちゃぐちゃで「ミステリーとしてはどうも...」という作品も出てきやすいイメージがあります。
なお、私の頭はそれほど論理的でないのでどちらかというとロジックメインの作品は苦手です。

ストーリーで読ませる小説は常にある程度謎解きの要素があるような気もしますけれども...。

ということでミステリは好きではありますが「ファン」と言い切るには「違和感があるなぁ」という人の戯言です。

この「ベスト」の元ネタは週刊文春2013年1月号で発表されたもの。
「東西ミステリーベスト」で検索するとwikipediaで出て来ます。
wikipediaによると。
「推理作家や推理小説の愛好者ら約500名がアンケートに回答し、結果は『週刊文春』1985年8月29日号および9月5日号で発表された。1986年12月には文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』として文春文庫より刊行された。
2012年、週刊文春2013年1月4日臨時増刊号として、リニューアル版が27年ぶりに刊行された。」

というもの。
なおこの2012年版も今年11月に文春文庫で「東西ミステリーベスト100」として発刊されるようです。
創元の「虚無への供物」の帯に「ミステリベスト 2位」との帯がついていたりしたので、セールス的には結構影響力あるんでしょうね。

ということでリスト(日本の作品)
既読は21作品、青で塗りました。

21作品、それなりに読んでいる(古いものがほとんどですが...)でしょうか?
割合的には国内SF長編の50作品中14作品よりは若干少ないですね。
作家別にみると、3作品以上ランクインしているのが
・5作品 横溝正史
・4作品 泡坂妻夫
・4作品 島田荘司
・4作品 宮部みゆき
・4作品 江戸川乱歩
・4作品 京極夏彦
・4作品 綾辻行人
・4作品 山田風太郎
・3作品 松本清張
・3作品 高木彬光
・3作品 鮎川哲也
の各氏。

横溝正史はリスト5作品全部読んでいる。
この5作品しか読んでいないのでまさにピンポイント。
「獄門島」「本陣殺人事件」以外は角川映画の影響です...。
横溝正史は非常に論理的な謎解きをする作家で、かつストーリーも破綻がない。
日本の作家はどちらかに流れる傾向がある中、稀有な作家だと思います。
(と坂口安吾もいっていた)
ただ、明晰すぎて「感動」とか何度も「読み返す」という気にならないのが難点な気が...。
一読後相当の期間読んでいないので読み返してみようかなぁ。

島田荘司、泡坂妻夫、綾辻行人、鮎川哲也はここに出ている作品以外読んだことがない...。いわゆる「本格」な人達で、「本格推理小説」が苦手な私にはどうも敷居が...まぁそのうち。

宮部みゆきは割と好きで何作か読んでいるのですが、最近のものを読んでいないのでランクインしている作品はすべて読んでいない...残念。
多作家ですしねぇ。

江戸川乱歩は、おどろおどろしい「雰因気を楽しむ」にはいいのですが純粋に推理小説としてみると現代的にはきつい感じがします。

京極夏彦は1作しか読んでいません。
面白かったのですが、それほど何作も読もうという気にならなかった...。
なんだか健康的すぎるような印象があります。
もっと何かこう屈折したものが欲しいような気がします。

山田風太郎の4作品ランクイン、「意外」(ミステリという意味で)ですが、最近再評価されている作家なんでしょうね。
私の世代だと、どうも「お色気忍法帳」の人というイメージが強くて...ミステリー作家のイメージがない。
「警視庁草紙」は実家にあった(未読)ので今度持って帰って来ようかなぁ。

松本清張はどうも受け付けない...。
昔(中学時代だ、30年前)「或る小倉日記伝」を読んでいいなぁと思い「点と線」を読んで???でした。
なんだか厳密すぎる文章にどうも遊びを感じられず、基本「謎解き」であるミステリーだとゴツゴツしたイメージを受けたような気が...。
他の作品を今読めば違うのかもしれません。

高木彬光は一時期かなりはまって読みましたのでランクイン作品は全て読んでいます。(その他も結構)
デビュー作「刺青殺人事件」を坂口安吾が絶賛していて読み始めました。
余談ですが、なお私のミステリ読書体験にはかなり坂口安吾が影響しています...。

安吾氏、前段の松本清張の「或る小倉日記伝」を評して(確か芥川賞選考委員かなにかだったらしい)「探偵小説を書ける文章だ」と評しています。
自身も「不連続殺人事件」(ランク入りしている)「復員殺人事件」「安吾捕物帳」とミステリー書いてますし好きだったんでしょうね。

さて、高木彬光、ちょっと「運命論的」かつ「教訓的」なところが鼻につく所もあるのですが、基本読ませる作家だと思います。
(その辺も坂口安吾はすでに懸念していた)
SFで言えばスコット・カードのような感じでしょうか?

西村京太郎、和久峻三など結構好きで読んでいたのですがまったく名前がありませんね。
あとは赤川次郎も入っていないし...。
高橋克彦氏など乱歩賞作家が少ないような気がします。
マニア受けしないんでしょうかねぇ。

日本SF長編ベストでも書きましたが、この手のベストをやるとスタンダードな作品が上位に来る傾向がありますね。
・1位 獄門島
・2位 虚無への供物
・4位 ドグラマグラ
・6位 点と線
この辺。
ただしSFと違って、3位に「占星術殺人事件」島田庄司、5位「火車」宮部みゆきと新しめなものも上位に入っているのがモダンなところ。
この2作、機会があれば是非読んでみたいところです。
(1985年のランキングでは、1位 獄門島、2位 虚無への供物、3位 点と線、4位 不連続殺人事件、5位 黒死館殺人事件、6位 ドグラマグラとガチガチにスタンダードな作品しか入っていなかった!)

「虚無への供物」も読み返したいなぁと思ってはいるのですがなかなか手がつきません。
(この作品は三島由紀夫が激賞したことで有名ですね)

「私的」に読んだ作品のベストを付けるかというと...「ミステリー」を評価できる自信がありません。
小説としては、先日の「私的日本小説番付」に挙げた「ドグラマグラ」「空飛ぶ馬」が上位に来る気がしますが、ミステリーというか「推理小説」としては「獄門島」の方が上というのもわかる気がします。
本格では有栖川有栖なども「謎解き小説」として結構好きなのですが、何回も読み返したくなる小説としては評価できない...。

なかなか難しい...。

まぁ簡単ですがこんなところ感じました。

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私的日本小説番付

2013-10-09 | 本リスト
前回”goodread”のランキングのことを書きましたが、私的に日本小説の番付など考えてみました。

大して読んでいない、かつ読む本も偏っているのでおこがましいですが...。

そうはいいながらも、こういうのは本能的に楽しかったりしますよねー。(笑)
(野球でオールタイムベストチームを選んだりするような感じ)

          東               西
横綱  「吾輩は猫である」夏目漱石   「ノルウェイの森」村上春樹
大関  「竜馬がゆく」司馬遼太郎    「あかひげ診療譚」山本周五郎
関脇  「ドグラ・マグラ」夢野久作   「マイナス・ゼロ」広瀬正    
前頭1 「坊ちゃん」夏目漱石      「幽霊」北杜夫
前頭2 「こころ」夏目漱石       「円紫師匠と私シリーズ」北村薫

上記10作は、現在のところ私が「すごい」と思った作品です。
「いいなぁ」はいっぱいありますが、「すごい」という作品は意外と少ない,,,。

○横綱
この二作かどうかはともかく、この二人が横綱なのはまぁ意外感のない選択かと思います。
日本文学史上別格な二人なのではないかと思っています。

「吾輩は猫である」
社会人なりたてくらいに読み返し「これはすごい」とうなりました。
登場人物全員が(猫含む)適当なことを話しているんですが、全員なんだか「やるせない」文豪夏目漱石の処女作(1905-1906連載)にして最高傑作だと思います。
100年以上経ってもまったく古びない....。
夏目漱石作品、番付に他2作も入れてしまいましたが、他の作家と比べてかなりレベルが高いと思います。
(あまり読書範囲が広くないだけかもしれませんが....。)
私的には「それから」「門」「明暗」辺りは得意じゃないんですけどね。

「ノルウェイの森」
出てくる人、セリフも印象深く、面白い。
村上春樹氏いわく「リアリズム」の作品だそうで他の実験的な展開の作品に比べて評論家受けは良くないそうですが、私はストレートに好きです。
何回となく読み返していて場面もセリフもかなりの部分頭に入っています。
他の村上春樹作品は読んでいるときは「すごい」と思うのですが、読み終わってからなんだか印象があまり残らない...。
(読み方が悪いのかもしれませんが)

○大関
この二人も否定しきれる人は少ない作家かと思います。
海外ではポピュラーじゃないようですが...。(横綱との違い?)
司馬遼太郎はいまだに大河ドラマの原作などでよく使われますし、山本周五郎も黒沢明の影響もあるんでしょうがいまだに映像化されている。
まさに「国民的作家」ですね、この二人は30年後も問題なく現役で残っていそう、その辺が吉川英治、山手樹一郎との違いでしょうか。
(司馬遼太郎は好みが分かれそうですが...)

「竜馬がゆく」
司馬遼太郎は「坂の上の雲」でもいいのですが...「竜馬がゆく」の方がより「小説」していて面白い。
本作以降は「歴史」していて硬くなりますし、それ以前は不器用なエンターテインメントという感じでゴツゴツした感じがする。
本作が一番バランスが取れていると思います。

「あかひげ診療譚」
「ながい坂」でも「樅の木は残った」でもいいんですが...この作品が一番好きなので。
短編もいいですし非常に安定したレベルの作品を書く人だと思います。
あかひげ先生の妙に近代人的ぼやきが、「出家とその弟子」風の違和感を感じますがそれがまた好き。

○関脇
SF、ファンタジイ系で。
「横綱、大関にはちょっと...」ですがまぁ外せない2だということで。
夢野久作も広瀬正もどちらかというと「異色」「アウトサイダー」な作家に分類されるかと思いますが、なにかで「名著」的特集をやるとこの二作は必ず出てくる気がします。
「ドグラマグラ」はSFでもミステリでもベストランキングに挙げられています...。
日本で同様の評価をされている作品に「虚無への供物」(あと「黒死館殺人事件」を合わせ三大奇書と呼ぶらしい)があるかと思いますが、こちらは中学の時読んだきりで覚えていないので除外しました。

「ドグラマグラ」
一読、頭がグラグラする小説ですね、何とも形容しにくい。
夢野久作は短編もいいものが多いです。
傾向は一緒なのかもしれませんが江戸川乱歩氏より上な気がする。

「マイナス・ゼロ」
最近の日本SFを読んでいないので、もっとすごい作品があるのかもしれませんが80年代前半まで見たところでは、この作品を超える長編SFは出ていない気がする。
「論理」と「情感」の絶妙な結合。
何回読み返したかわかりません。

○前頭
「坊ちゃん」
軽量級ですが...(笑)はまると横綱でも吹っ飛ばしそうな力がある気がする。
絶妙なキャラ設定の主人公となんだかやるせないストーリー...傑作です。

「幽霊」
北杜夫の処女作、なんだかとってもノスタルジックな作品。
「楡家の人々」辺りの方が代表作なんでしょうが....未読です。
「さみしい王様シリーズ」「怪盗ジバコ」などユーモア小説もかなり好きなのですが「すごい」感はないかなぁ。

「こころ」
夏目漱石の後期の作品の中では唯一好きな作品です。
「動機が不自然」などとやり玉に挙げられますが(坂口安吾など)そんなことを言ったら村上春樹などすべて不自然です。
ファンタジイとしても読めるなんだか切なく美しいストーリーだと思います。
この作品が1914年、漱石は1916に亡くなっていますので、小説家としての活動期間は11年しかなかったんですね...意外。

「円紫師匠と私シリーズ」
北村薫氏の処女作ですね。
「陳腐な設定」とも言われているようですが..。
なんだかとてもテンションの高い文章で世界が描かれている気がする...。
なお1冊挙げるなら「夜の蝉」です、初読(二読後も)「すごい....」と感じました。
北村薫だとこのシリーズと「スキップ」が好きですが、「スキップ」は文章のテンションが少し落ちる気がします。

上記の中にはその作家の「処女作」が結構ありますね。
私が熟練よりも「新鮮」さが好きというのがあるかと思いますが、初期の方がいい作家というのは結構いそうな気がします。

村上春樹も「ねじまき鳥クロニカル」以降の作品はあまり得意ではありません。

上記以外で入れようかなぁと思いついたのは下記の作品ですが、どうも「すごい」とまで思えませんでした。(どれも好きなんですけどね)
-順不同?-
村上春樹諸作、「明治・父・アメリカ」「祖父小金井良精の記」星新一、「北斎殺人事件」高橋克彦、「無事の人」山本有三、「出家とその弟子」倉田百三、「青年」森鴎外、「万延元年のフットボール」大江健三郎、「泥流地帯」三浦綾子、「第四間氷期」「人間そっくり」安部公房、「スター・レッド」萩尾望都、「風に桜の舞う道で」竹内真、「淋しい狩人」宮部みゆき、「御用侠」山田風太郎

今は海外SFを中心に読んでいますが、日本の小説も読んでいない本がかなりある感じ...。
家の本棚見ていたら、倉橋由美子など文庫が4冊ありましたが全て未読。
いずれは...。

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