しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ファウンデーション 銀河帝国興亡史1 アイザック・アシモフ著 阿部 宏之訳 ハヤカワ文庫 

2012-11-13 | 海外SF
「夜明けのロボット」→「ロボットの帝国」ときて、ついに銀河帝国興亡史シリーズに入りました。

この「ファウンデーション」銀河帝国興亡史1は、職場近くのブックオフで3、「第二ファウンデーション」とともに400円で売っていたものを購入。


ファウンデーションシリーズ(銀河帝国興亡史と呼ぶか悩みますが、こっちで通そうと思います)は、小学6~中学生くらいの頃創元推理文庫版「銀河帝国の興亡」で3までは読んだことがあります。(とういうか当時は3までであった)

内容的に派手な戦闘シーンがなく、いわゆるSF的な小道具やら展開も乏しく、政治的な話がメインで進むため読むのに非常に苦労した記憶があります。
いわゆる「SFの名作」は抑えておかなければ!という義務感のみで読了した感じで。
というわけでほとんど記憶がない状態での再読です。

創元推理版も実家を探せばあると思いますが今回80~90年代に書かれた4以降まで読み通そうと思っているためハヤカワ文庫版での購入です。

あらすじ(裏表紙)
第一銀河帝国は、何世紀にもわたってすこしずつ退廃と崩壊をつづけていた。だが、その事実を理解している人間は、帝国の生んだ最後の天才科学者ハリ・セルダンだけだった! 彼は自ら完成させた心理歴史学を用いて、帝国の滅亡とその後につづく三万年の暗黒時代を予言したのだ。この暗黒時代をただの千年に短縮するため、セルダンはふたつの”ファウンデーション”を設立したのだが・・・・・・壮大なスケールで描く宇宙叙事詩

章立て
第一部 心理歴史学者
第二部 百科事典編纂者
第三部 市長
第四部 貿易商人
第五部 豪商

この巻「ファウンデーション」はファウンデーション設立にかかわる序章的な位置づけという感じの物語が「史伝」的に語られます。
小、中学生にはちょっと難解な内容だと思います。
当時の自分が読んでいて展開が理解できず「???」となっていたのを思い出しました。
第二部、第三部で主人公的役割を果たしたハーディンが第四部ではいなくなり。
第四部で出てきた貿易商人のボニェツが第四部でお役御免と、ジュブナイルものを読み慣れていた自分が戸惑ったのを覚えています。

でも40男が読むと、お約束でファウンデーションが興隆していくストーリーは安直かなぁ?という感があります。
高校~大学生ぐらいが読むのが年代的にはちょうどいいような気がします。

小説としても1話1話食い足りないなぁとも感じて、「アシモフの代表作こんなものか?」とも思いました。

でも現在2冊目の「ファウンデーション対帝国」を読んでいる途中ですが、認識を改めました。

「ファウンデーション」という虚構を構成する「神話」としてこれらの話が不可欠な部分になっているんですね。
1冊丸々伏線にしてしまうアシモフ...すごいです。
初期は3までで終わっていましたが、その後続編を書いたのは必然かもしれません。

「神話」ですので本当らしいところと、ご都合的主義的なところ、中途半端なところすべて意図的に書いているのでしょう。
「銀河百科事典」からの引用というのもなかなかにくい小道具です。
読み方にもよりますが「旧約聖書的」な感じも受けます。

そういえばアシモフもユダヤ系ですので、ファウンデーションの人々は「ユダヤ民族」に当てているのかもしれませんね。
「セルダン」の約束に縛られ(守られている)という展開ですしねぇ。

「ターミナス」が資源もない小国で科学技術を種に貿易立国云々ということで「日本」を予見していた、というような話がありますがアシモフはユダヤ人を念頭においていたのかもしれませんねぇ。
う~ん歴史は繰り返す...。

2冊目に書かれているファウンデーションの衰退は今の日本に重なるところもあるような気がする...。

第五部ででてくるコレル共和国の主席などは、あまりにも某北の将軍様的です。
市民の「あこがれのアスパー主席様」と称えられているらしい...。

1940年代前半に書かれた話とは思えません。

歴史って怖いですね。


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