しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

宇宙のランデヴー アーサー・C・クラーク著 南山宏訳 ハヤカワ文庫

2013-11-13 | 海外SF
またSFに戻って本作。
‘12ローカス誌オールタイムベスト28位、1973年発刊
1974年のヒューゴー、ネピュラ両賞受賞の名作です。
ちなみにその前年1973年にはアシモフが「神々自身」でダブルクラウンの栄冠に輝いており、「巨匠復活」の時期だったんですね。
60年代のニュー・ウェーブにSFファンも少し疲れが出ていたのかもしれませんね。
(調べてみて意外でしたがハインラインはネピュラ賞受賞していないんですね、ヒューゴー賞は何回か受賞しているのに...評論家受け悪かったのか?)

さて本書は川崎のブックオフで105円で購入


都市と星」のところでも書きましたが、巨匠:クラーク...どうも苦手意識があります。

小学生終わりか中学生成り立ての頃「地球幼年期の終わり」を読んでよくわからず。
その後(多分)「2001年宇宙の旅」を映画で見て感激したのですが、小説で読んだらいまいち...。
クラークがキューブリックの演出が気に入らず意見をかなり入れたという「2010年」を見て、あまりのアメリカンぶりにがっかりしたのがとどめでした。
(主演のロイ・シャイダーがどうもキューブリックの2001年とイメージが合わず戸惑いました)
というわけで不勉強にして、クラークが英国人であるのも知らず、ずっとアメリカ人だと思っていたりもしましたました...。

「都市と星」を読んでも上記の印象はあまり変わらなかったのですが、まぁいってみようと手に取りました。

内容(裏表紙記載)
西暦2130年、<スペースガード>のレーダー網に謎の物体が探知された。 やがて、宇宙深測機が送ってきた映像によって太陽系に突如現れたこの物体は自然のものではなく、直径40キロ、自転周期4分という巨大な円筒型の金属物体であることが判明した。 この事実は、全人類を騒然とさせた――長い間期待され恐れられてきた、宇宙からの最初の訪問者をついに迎えることになったからだ! “ラーマ”と命名されたこの人工惑星にエンデヴァー号が調査のため接近、苦心のすえランデヴーに成功し、ラーマ内部に侵入するが・・・・・・ヒューゴー/ネピュラ両賞受賞に輝く巨匠の傑作SF!

とりあえずの感想、やっぱりアメリカンというかハリウッド的。
主人公のエンデヴァー号艦長 ノートン中佐にロイ・シャイダーのイメージが重なってしょうがありませんでした...。
ただ本作、映画化はされていないようですね。

また「宇宙の戦士」は「二等兵物語に宇宙服を着せただけ」との批判があったそうですが、本作には「無人島探検物語を宇宙に持っていっただけ」という批判は成り立つかなぁなsどとも感じました。

宇宙のかなたから来た物体の探検ではありますが、空気が人間に呼吸可能だったり、ラーマもいわゆる宇宙ステーション風の構造物で、中にはちゃんと階段が有ったりと、理解を超えるものはあまり出てこない...。
理解を超えそうなものは全て「謎」扱いで残してしまいましたし...。
地球側のテクノロジーもSFとして考えるとあまり突飛なものは出て来ません。

舞台が近未来の2130年ということで、現実的なところを狙ったんでしょうがスケールが小さく感じました。
台風の描写、メカニズムの説明などはいかにもハードSFの旗手クラークらしいんですけどもねぇ。
ちょうど「リングワールド」を読んだ直後ですし、「直径40km」ではあまり大きく感じない...。(笑)
「リングワールド」は1970年の発刊なので、本作の方が出版遅いのですがどうも古臭く感じらてしまいました。

ただまぁこれも「名作」と思って読むと目につくだけで、物語としてはとても楽しく読めました。
個人的には、宇宙船の乗組員が人力飛行機を隠し持っていて使用する場面で大真面目に重力やらなにやらを検証しているのが面白かったです。

結末で続編が暗示されていて実際に2、3、4と出版されていますが、クラーク単独でなくジェントリー・リー氏との共著です。
ブックオフの105円棚でよく見るので結構売れたんでしょうね。

ネットでいろいろ情報集めると1作目とかなり肌合いが違う作品らしいですね。
今一つ読む気にはならないかなー。

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