しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

鋼鉄都市 アイザック・アシモフ著 福島正実訳 ハヤカワ文庫

2013-04-10 | 海外SF
家の引っ越しで本を整理していたら昔読んだ本書が出てきました。
出てきたアシモフものは本書と「停滞空間」だけだったのであとは実家、取りにいかなければいけないなぁ。

奥付見ると昭和56年5月15日4刷。
新品で買った記憶があるので小6の時読んだんですねー、懐かしい。

最初に読んだ時には、SFとミステリーの見事な融合、謎解きのスマートさに感激した記憶があります。

なお最近よく引用するローカス誌オールタイムSFベストでは56位。

後のファウンデーションとつながる展開から考えてもアシモフの代表作と言っていい作品でしょう。

内容(裏表紙)
突然、警視総監に呼び出されたニューヨーク・シティの刑事ベイリは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件の担当となったことを知らされた。しかも指定されたパートナーはロボット、R・ダニールえあった。さっそく真相究明にのりだしたベイリだが、その前にはさまざまな障害が立ちふさがる。巨大な鋼鉄都市と化したニューヨークにはかつての地球移民の子孫であり支配者である宇宙人たちへの反感、人間から職を奪ったロボットへの憎悪が渦まいていたのだ!・・・・・・ロボット・テーマの第一人者アシモフが、未来都市を舞台に<ロボット三原則>の盲点に挑んだSFミステリの金字塔!

ブラッドベリ、「虎よ、虎よ!」と読んで戻ってきたのでアシモフらしい落ち着いた展開で非常に読みやすかったです。

この作品が1953年連載、54年刊行。
「華氏451度」も1953年執筆、オーウェルの「1984年」が1949年に書かれておりSFの描く未来像にも少なからず影響があった時代だと思うのですが、アシモフの描く未来は基本楽観的。

科学の進歩=人間のポテンシャルを信じた作品です。
これはこれでリアルな認識なんだと思いました、人間は意外としぶとい動物な気がします。

久々再読した感想ですが、

二転三転推理がひっくりかえる緊張感のある展開、ベイリ、R.オリヴァーもそれぞれ魅力的に書かれていて一気に読み終わりました。
でも最初に読んだ「すげぇ」感は残念ながら感じられませんでした....。
再読ですし、いろいろ人生経験も読書経験も積んでますしねぇ。
大体先が読める展開でしたし、ちょっと強引さも感じました。
メイントリックも今一つ納得できませんでした。
果たして第一条をクリアしているのだろうか.....。

シリーズ最初の作品だけに「夜明けのロボット」でかなり強調されているベイリ的推理方法も控えめですしオリヴァーとの心の交流もすっと納得できる感じではなかったですが、後の作品群を読んだ身としてはなかなか感慨は深かったです。
昔から私の中では「はだかの太陽」は「鋼鉄都市」より評価が低いので、ベイリシリーズの私の一押しは「夜明けのロボット」ですねぇ。
熟練のアシモフが書いただけあってツボを心得ている感じ。

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