しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ロボットと帝国 上、下 アイザック・アシモフ著 小尾 芙佐訳 ハヤカワ文庫SF

2012-11-10 | 海外SF
「夜明けのロボット」を読了後、amazonで新品を購入しました。


あらすじ(裏表紙解説文
上巻
惑星ソラリアから人間が消え失せた。無数のロボットを残して、ソラリア人はいったいどこへ行ったのか? しかも、その調査のためソラリアに着陸した二隻の宇宙船は何者かに破壊されてしまったのだ。そこで、新たに派遣される調査隊には、ソラリア生まれのグレディアが同行するように要請された。彼女は、ロボットのダニールらとともにソラリアをめざしたが・・・・・・〈銀河帝国興亡史〉とロボット・シリーズをつなぐ話題の長篇
下巻
惑星ソラリアをめざしてグレディアがロボットたちとともに旅立ったころ、惑星オーロラのロボット工学研究所長アマディロが、二世紀にわたる恨みをはらすべく陰謀を企んでいた。アマディロはかつて自分の野望をたたきつぶした地球人ベイリをいまだに憎んでいるのだ。しかも、ベイリ亡きあと、その復讐の目標は、ベイリの生まれ故郷の地球に定められていた! 〈銀河帝国興亡史〉とロボット・シリーズをつなぐ話題の長篇SF

「夜明けのロボット」から200年後の世界を描いています。
一応作中説明はありますが「夜明けのロボット」を読んでいないと入っていくのは難しいかもしれません。
そういう意味では「夜明けのロボット」が絶版のままなのはどうかと思うのですが....。
(はだかの太陽も絶版だし)

シリーズ前作までの主役、イライジャ・ベイリは既に亡くなっており、形式的主役は「グレディア」ですが実際の主役はダニールとジスカルドの二体のロボットになっています。
二体のロボットの理屈っぽい会話が目立ちますが、上巻はアシモフらしい落ち着いた話運びと手練れの文章で楽しく読めました。
下巻はあらすじにもあるように銀河帝国興亡史シリースとつなげることを意識しすぎているためか、結論ありきのご都合主義的なストーリー展開を感じました。
ラストも下巻の中盤くらいからほぼ読めてしまったのでちょっと興ざめ感も感じました。
(銀河帝国興亡史に詳しい人なら下巻の最初辺りでほぼわかったんじゃないかと思います)
終盤のアマディロたちの基地の場所もちょっとどうかなぁと思いました。
アシモフにしては珍しい息切れ感と安直さを感じました。
1985年出版の作品ですから、「夜明けのロボット」から2年しか経っていない、「アシモフにどうしたの?」という感じ。

なんだかスター・ウォーズの影響も感じるし。
グレディア=レイア姫
D.G.ベイリ=ハン・ソロ
ダニール=C3PO
ジスカルド=R2D2という感じ。

スターウォーズの設定ににファウンデーションものは影響与えているような気もするし...。
複雑です。

ただアシモフ作品ということで期待値が高くなっていますが、普通に読めば下巻含めて十分楽しめるレベルのSF作品になっているとは思います。
上下巻一気に読んでしまいましたし...。

解説によるとこの翌年86年に出版された「ファウンデーションと地球」の伏線にもなっているようで、ラストは「どうなっていくんだ??」というのが非常に気になるように出来ております。

この作品の次に書かれているアシモフの未来史ものでは一番遠い未来を描いていて、惑星ソラリアの人たちのことも書かれている「ファウンデーションと地球」も非常に気になるのですが、次はファウンデーションもののおさらいからということで銀河帝国興亡史を1から読んでいこうと考えています。

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