先日四谷で会議があった。少し早く着きすぎたので、メトロの駅にくっついている消防博物館に寄った。東日本大震災関係の展示があった。会場ではアニメ「稲むらの火」を上映していた。私もあの3月11日にこの話を思い出した。この話を掘り起こし、戦前の日本人の共通の知識、教訓にしたのはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だということも知っていた。何より、小学校の国語教科書にあって感激したから忘れようがない。
先年のスマトラ沖大地震で、小泉首相は現地の人に「日本には稲むらの火という話があるそうだが」と聞かれたが全然知らなかった、という話がある。同じ小泉でも随分違うものだ。戦後のボンボンだから仕方がないか。
それはともかく、五兵衛さんと言う名前で登場するあの名主さんは、本名浜口儀兵衛(1820~85)ヤマサ醤油の7代目当主。私は紀州の話だと覚えていたから、ヤマサ醤油と知って、ありゃ和歌山だと思いこんでいたら千葉だったか、と一瞬記憶を疑った。しかし、安政の東海地震(1854年12月)で、紀州和歌山藩の広村というところの話だった。小学生の記憶というのは凄いものだ。
刈り入れ、積み上げたばかりの稲むらに、惜しげもなく火を付けた、というくだりにも感激したのだが、実際は米を梳きとった後の稲わらに火を付けたらしい。それも、津波を予知して知らせるためにやったのではなく、村人が避難してくるのに道を迷わぬように、足元を明るくするためにやったらしい。いわば、ラフカディオ・ハーンの誤解が話を大変感激的にした。実際を知っている人も、ハーンの感激的誤解をあえてそのままにしておいたらしい。無用のとがめ立てをしないところがまた良いね。
先年のスマトラ沖大地震で、小泉首相は現地の人に「日本には稲むらの火という話があるそうだが」と聞かれたが全然知らなかった、という話がある。同じ小泉でも随分違うものだ。戦後のボンボンだから仕方がないか。
それはともかく、五兵衛さんと言う名前で登場するあの名主さんは、本名浜口儀兵衛(1820~85)ヤマサ醤油の7代目当主。私は紀州の話だと覚えていたから、ヤマサ醤油と知って、ありゃ和歌山だと思いこんでいたら千葉だったか、と一瞬記憶を疑った。しかし、安政の東海地震(1854年12月)で、紀州和歌山藩の広村というところの話だった。小学生の記憶というのは凄いものだ。
刈り入れ、積み上げたばかりの稲むらに、惜しげもなく火を付けた、というくだりにも感激したのだが、実際は米を梳きとった後の稲わらに火を付けたらしい。それも、津波を予知して知らせるためにやったのではなく、村人が避難してくるのに道を迷わぬように、足元を明るくするためにやったらしい。いわば、ラフカディオ・ハーンの誤解が話を大変感激的にした。実際を知っている人も、ハーンの感激的誤解をあえてそのままにしておいたらしい。無用のとがめ立てをしないところがまた良いね。