畏友近藤さんから注文を受けた時すぐ思い出したのはこの表題の本だった。しかし、ちょっと気が引けて書かなかった。以来そればかり気になって「何だおまえ気取りやがって」ともう一人の私がわめく。著者はご存知の「米原万里」。今をときめく?小森陽一と似たような育ちかたをした「帰国子女」。何故気が引けたか。話が私の感覚ではちょっと「汚い」。気持ちが悪くなるような話が、間違いなしに本当のこととしてきちんと書かれているから。例を挙げると、ルパシカの裾は何故みな黄色く汚れているか、答えは、用便のあと紙を使わないから(パンツははいてない)。これは何もロシアばかりの習慣ではないらしい。似たような、もっと深刻な話が女性の生理についてもきちんと書かれている。とても小話には出来そうにない。しかし、そんな神経の細い感想を持つのは「日本人男性」の一人たる私だけかもしれない。
江戸時代にはふんどしの洗濯屋が沢山あって繁盛したという。江戸っ子の清潔感。しかし今では、例えば旅行に行くとき、どうせ一泊だし、宿に全部あるから、と私などつい何も持たずに行ってしまう。同行する人が云う「何もないの?」「一日くらいどうということはないだろう。」「いやだ、明日は離れて歩きましょう。」 ロシアやバルカンのおおらかさを日本人も見習ってほしいね。
江戸時代にはふんどしの洗濯屋が沢山あって繁盛したという。江戸っ子の清潔感。しかし今では、例えば旅行に行くとき、どうせ一泊だし、宿に全部あるから、と私などつい何も持たずに行ってしまう。同行する人が云う「何もないの?」「一日くらいどうということはないだろう。」「いやだ、明日は離れて歩きましょう。」 ロシアやバルカンのおおらかさを日本人も見習ってほしいね。