某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

悪魔の辞典

2011-07-21 22:18:55 | ぼやき
 気持ちよく原稿が3本、立て続けに書けて、しかも我ながら良い出来だと一人でご満悦。こんなことはめったにない(書けたものは、天下一品、良い出来だといつも思うが、何せ書かない。皆が「書けばいいのを書くのに」と陰で噂している。)
 こんなことを書くつもりではなかった。久しぶりに気分爽快で(便秘が治ったというべきか)、早速手元にあった本を開いた。アンブローズ・ビアス著、西川正身編訳『悪魔の辞典』岩波書店。こういう、仕事と全く関係ない本ばかり好きだから困る(芥川龍之介も好きだったらしい。彼にはよく似合う本だ。)
 書いたばかりの原稿は、みな一応「歴史」関係だから、まず「歴史家」を見た。「広範囲にわたって噂話をやらかすやから。」とある。悔しいけれどその通り。あまり広範囲じゃないけれど、それはこっちの知識が狭いから。じゃあ、歴史ってのはなんだ?と隣の項目をみると「大抵は悪者である支配者と、大抵は愚か者である兵士とによって惹き起される、大抵は重要でない出来事に関する、大抵は間違っている記述」とある。本当にそうだが、こうあからさまに言われては立つ瀬がない。じゃあ、偉そうにしている悪魔ってのはなんだ?「われわれ人間のあらゆる災いを創造した者」とある。そうだよなあ。ところが続けてこうある「この世のあらゆる良きものを所有する者。彼を作りだしたのは全能の神であるが、彼に生を授け、彼をこの世にもたらしたのは、おんなにほかならない。」なるほど、悪魔の性は男なんだ。しかし、蛇が悪魔で、それに誘惑されたおんな(イヴ)が坊や(アダム)をたぶらかしたのがすべての始まりだと、私は思っていた。だから、おんなが悪人だ、と。では悪人とは何か。悪魔の隣に定義がある。「人類を進歩させてゆく最も重要な要因」と。凄いねえ、ビアスさん。
 
コメント
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